近頃は街中でカーシェアの車を見かけることも多く、若者のクルマ離れが増えていると言われています。その理由として「車両購入時の手続きが面倒」「メンテナンスが大変そう」と考えている人が多いのだとか。しかしながら、それらの悩みを解決する“珍しいサービス”が存在するのを知っていますか?
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メールやチャット(LINE)を利用することで「自宅に居ながら車の売買・整備・修理」を可能にしたのが、Buddica・Direct株式会社の「バディカダイレクト」というサービス。書類のやり取りなどがインターネット上で完結するため、時間やコストを削減できるというメリットがあります。同サービスについて、同社取締役の佐川悠さんは「営業スタッフはすべて顔出し・実名で対応し、お客さまとのやりとりもWeb上に残るため『言った。言わない』など、中古車販売にありがちなトラブルの発生はきわめて少なくなっています。購入できる車種は、スマホやWeb上でさまざまな角度から画像や映像で確認できることも強み」と話します。
2024年2月に開始されたサービスですが、同年11月には累計売買台数1500台を突破。わずか7か月でこのような実績を生み出せた理由を「『バディカ』と『セイビー』というふたつの会社の強みをドッキングさせ設立した新会社だから」と佐川さんは分析します。
バディカ(本社:香川県高松市)は新車・中古車販売を行う会社、セイビー(本社:東京都港区)は車の整備・修理・パーツ取付を出張で行う会社で47都道府県に約900名の整備士が稼働しています。バディカダイレクトではこのセイビーの整備士が納車時に顧客の家に直接訪問し、整備や修理の説明・アフターメンテナンスを行います。
「自宅にいながら整備士にキーを渡すだけで車検が完了する“出張車検”のニーズは増加傾向にあります。例えば、冬場になるとスタッドレスタイヤ交換の出張依頼をはじめ、暖房やドライブレコーダー使用で負担が大きくなるバッテリー関係の依頼も増えます」と佐川さんは話します。
近年の自動車業界では長時間労働・低賃金が引き起こす整備士不足により、修理や整備に何カ月も要する事態が起きているのだそう。一方、セイビーでは工場やオフィスを持たないかわりに「出張」という勤務形態をとり、最低時給3000円以上を登録整備士に還元。労働環境の向上に取り組んでいるのだとか。
「今後は関西圏に支社や拠点を設けられるように精進し、兵庫県でもファンを増やしていきたいです。将来的にはバディカ・セイビー・バディカダイレクトの3社を共に成長させ上場し、お客さまのお役に立てる企業を目指す」と佐川さんは今後の目標について語り、取材を締めくくりました。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2024年12月4日放送回より