バレーボールの日本一を競うカップ戦・皇后杯で初優勝を成し遂げたSVリーグ女子のヴィクトリーナ姫路。再開後のリーグ戦でも8試合で6勝2敗と好調。初タイトル獲得の勢いが結果にも表れ、上位争いに食い込み続けています。
そんな最近のヴィクトリーナの戦いぶりについて、元日本女子代表セッターの竹下佳江氏(現、ヴィクトリーナ姫路エグゼクティブアドバイザー)が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で感想を述べました。
ヴィクトリーナはリーグ戦再開初戦、昨年12月28日の第10節GAME1でクインシーズ刈谷にホームでセットカウント1-3と敗れましたが、翌日の同対戦でストレート勝利。年明けでは、1月最初の試合となったKUROBEアクアフェアリーズとのアウェイ戦で1勝1敗でしたが、続く第12節の群馬グリーンウイングス戦(ホーム)、第13節のアランマーレ山形戦(アウェイ)といった下位チームとの対戦ではいずれもストレート勝ち。オールスター前に4連勝を達成しています。
最近の試合では、主戦アタッカーの井上亜里沙選手やチャッチュオン・モクシー選手がコンディション不良やけがのため欠場した試合もありましたが、その穴を見事に埋めた渡邉かや選手らの活躍も光りました。今回、竹下氏は、ヴィクトリーナのスターティングメンバーが試合ごとに若干変化したところに着目し、次のように話しています。
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――皇后杯後のヴィクトリーナの4試合(2勝2敗)は、同じ理由で少し難しい試合だったとのことですが……。
【竹下氏】 12月29日は(井上)亜里沙が、1月11日はチャッチュオン(・モクシー)が出ていない試合で、セッターも(11日は)櫻井(美樹)が、12日は柴田(真果)がコートに出ていた試合でした。いつものメンバーとは全然違うバラバラ状態ですね……。ただ、この“バラバラ”というのは、「いつものスタートメンバーとは」という意味。コンディションの調整が難しかったのかなという印象を受けました。
――少し違う雰囲気での試合が続きましたが、どこが特に気になりましたか?
【竹下氏】 (ヴィクトリーナとしては)残りの試合も総合力で戦っていかないといけないというか。終盤のピークにやっぱり力強い選手が必要だなと、非常に強く感じた試合でもありました。井上やチャッチュオンみたいに、最後に点を決め切れる強さは、やっぱり皇后杯を見ていてもそうですし、今回の試合でも必須だなと強く感じましたね。
――ただ、メンバーが違うという点は、相手チームに戸惑いも与えるのでは?
【竹下氏】 そうなんですよね。戦略として、情報がないというのは、相手チームにも情報がなくて、未知なので、そういった意味でも戦略の幅はあるかなと思います。たとえば、次の相手である埼玉上尾メディックスは、相手によって結構選手を変えてくる印象のあるチーム。選手の層が広い(厚い)ので、そういう意味でも手ごわいところです。ただ、ヴィクトリーナも決して選手層は薄いというわけではないんですよね。それに、控えにいる選手が(コートに)入るからこそ(チームの闘志に)火が付くというのもあります。そういった効果は、意外と、試合の良し悪しが出ます。
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現在、SVリーグ女子で3位に付けているヴィクトリーナ。首位・大阪マーヴェラスや2位・デンソーエアリービーズとともに上位争いを続けるべく、今後も負けられない戦いが続きます。オールスター後、最初の試合となる第14節では、2月1日(土)と2日(日)に、チームのシーズン前のキャンプ地でもある鹿児島県薩摩川内市で、第5位の埼玉上尾と対戦します。会場は、薩摩川内市のサンアリーナせんだい、試合開始は1日が午後1時5分、2日が午後2時5分です。
※ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』より