現在放送中のドラマ『ホットスポット』(日本テレビ)の2話において、「体育館の天井に挟まったバレーボールはどうやって取るのか?」という内容について話すシーンがありました。ドラマ内では「1年に一回やってくる電球を変える業者さんについでに取ってもらう」と語られていましたが、体育館の電球は通常かなり高い位置にありどのように交換しているのでしょうか。電気工事を主な業務とし、体育館の電球交換も行うパワーソース株式会社(本社・横浜市)に話を聞きました。
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同社によると電球や照明器具自体の交換の依頼は、公立の学校の場合は各自治体の学校施設課を通して、私立の場合は学校から直接されるとのこと。そして、体育館の照明タイプは主に3パターンに分けられるそうです。
【水銀燈】昔ながらの照明で、寿命が短く数年での交換が必要となります。水銀灯を採用している学校では、1年に1度ほどのペースで高所での交換作業が必要。
【昇降式】水銀燈照明がケーブルでスルスルと降ろすことができるため、高所での作業なしに交換することができる。
【LED照明】高所作業が必要なものの、水銀灯に比べると圧倒的に高寿命のため交換作業も稀にしか発生しない。
水銀灯は“かなり明るい”というメリットがありますが、スイッチを入れてから点灯や再点灯に数分の時間がかかるというデメリットも持っています。同社によると水銀灯を使用した2つのパターンは共に古く、現在ではLED照明が主流になっているとのこと。水銀灯からLED照明への切り替え工事も増えているそうです。
昇降式でない限り、発生してしまう高所での交換作業。同社の場合はどうしているかというと、「天井まで届く足場を組みその上で作業をしている」とのことでした。
作業時の写真を見せてもらうと、床に傷がつかないようブルーシートが引かれ、高所まで足場が組まれています。このように足場を組んで作業をする様子をHPなどでアップしている業者は多く見つかり、中には高所作業車をリースして交換する業者も見られました。
ちなみに、「天井に挟まったバレーボールを取ったことがあるか」と様々な会社に問い合わせると「そんな場面に遭遇したことも依頼されたこともない」という回答が多くを占めたなか、同社は「よくある」と回答。「足場に車輪がついているので少々の移動なら可能です。よっぽど離れていない限りは、お願いされればついでに取ることもありますね」と同社は話しました。
(取材・文=宮田智也)
◾︎取材協力:パワーソース株式会社