ショッピングモールからスタジアム、神社・仏閣に至るまで、今では様々な場所に置かれ、老若男女に親しまれているガチャマシン。訪日外国人にも人気で、インバウンド需要の高まりもあり、年々市場規模が拡大し続けているカプセルトイですが、その事業に2012年から加わり、新たなアプローチで成長を続けている会社が、大阪にあります。
「お店に人を集める=“集客”のサポートをする」会社、株式会社ACTマーケティング(本社:大阪市淀川区)。大手メーカーが市場の約7割を占めていたという参入当初、同社が活路を見いだしたのは、カプセルトイを通じてお店や企業の販売促進につなげるということでした。
「例えば飲食店だと、お子様ランチを食べたお子さんにコインを1つ渡す。そこでガチャガチャができて、プレゼントがもらえる。そうすると、今度、(外食で)『○○食べよう』となったとき、お子さんがガチャガチャをしたいから『あの店に行こうよ!』とお父さんやお母さんに言って、それがお店のリピートになる。この流れで、お店の売り上げの7~8パーセント増加につながるということを売りに、商売をスタートしました」
そう述べるのは、株式会社ACTマーケティング・代表取締役社長の高田道浩さんです。(※「高」=はしごだか)
高田さんいわく、「2012年に市場規模が300億円、ガチャマシンの設置台数が47万台だったのが、10年以上が経ったいま、おそらく1100万台、1千億円以上といわれ、10年前の3~4倍ほどに規模が膨れ上がっています」という国内のカプセルトイ業界。そのなかで、同社の事業も発展を遂げてきたそうです。
同社のガチャマシンを導入しているのは、8割が飲食店だそうですが、なかにはドラッグストアや歯科医院などへの提供事例もあるとのこと。
「歯科医院の場合、子どもさんがなかなか口を開けてくれないときに、コインを渡して『頑張ったらガチャができるよ』と言うと、口をぱっと開けてくれるそう。それゆえ、治療時間が短くなるというメリットがあり、『またこの歯医者さんに行こう!』という効果もあります」(高田さん)
小学生低学年くらいまでの子どもたちがメインターゲットだという、ACTマーケティングが扱っているガチャマシンのカプセルトイ。「キャラものも多いが、ギミック的な、さわって楽しめるような、大人も子どもも一緒に遊べるようなものを極力選定しています」というのは、同社の専務取締役・岡嶋正明さん。時には子どもたちの協力を得て、おもちゃを並べたなかで行われる『子ども会議』でガチャガチャの中身が決まることもあるそうで、「子どもは、大人の忖度のようなものもなく、好きなものを選ぶ。我々にない、リアルな視点があります」(岡嶋さん)。
「コインを入れてからガチャが回るまでのワクワクドキドキ感を『魔法の15秒』と呼んでいる」と、高田さん。オリジナルのガチャマシン「ガチャピー」では異なるサイズのカプセルを混在させたり、ガチャの前にあるパネルのロゴを着せ替えできたりするなど、同社ならではの工夫も行ってきたといいます。
その魅力的なカプセルトイをさらにビジネスにいかす取り組みとして、同社は今年4月から、販売促進のためのガチャガチャのオリジナル商品を導入予定。そこではガチャガチャを通じたIP(知的財産)ビジネスにもチャレンジするそう。さらに韓国、台湾、タイなど海外進出も目指すとのことで、高田さんは「ほかがやっていないものをぜひやっていきたい」と意気込みを述べていました。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2025年2月3日放送回より
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