1つ目の実験の結果について、二川さんは「(竹パウダーの中でも)幼虫たちは問題なく育ち、無事に成虫になりました」と振り返ります。ちなみに、クヌギで育てた個体に比べ、竹パウダーで育った個体は約20ミリ小さかったそう。
「地域の幼稚園で『どちらがほしい?』というアンケートを取り、約40%の園児が『小さいほう(竹パウダーで飼育した個体)』と答えました。昨今、ペットも小型化が進行しているということが結果に影響したのかなと思っています」と入江先生。継続して成育し商業ベースまで数を確保することは難しいそうですが、今回の結果が地域全体での放置竹林問題の解決への糸口になってほしいと生徒たちは願っています。
フンに関する実験の結果について、二川さんによると「土を柔らかくする“土壌改良剤”や、培養土の代替資材としての利用も可能であることが分かりました」とのこと。
二川さんたちが日々積み重ねたこれらの取り組みが「ひょうごSDGsスクールアワード」にて最優秀賞を受賞したと、同校に一報が入ったのは2024年12月中旬のことでした。
「様々な実験を通して、楽しいことだけでなく大変なこともあって……。メンバーと衝突することもありましたが、取り組んできたことを評価してもらえて嬉しかったです」と当時の率直な思いを口にした二川さん。
今回の経験を通じて学んだ「データ収集の重要性」「仲間と協力することの大切さ」を、進学先でも活かしていきたいそうです。
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最後に入江先生は、「今後も生徒と一緒に農業を軸とした環境・社会問題に、継続して向き合いたいです。これからも生徒たちには地域課題を解決していくことで成長していってもらえれば」とコメントし、インタビューをしめくくりました。
(取材・文=長塚花佳)
※ラジオ関西『Clip』水曜日 2025年2月26日放送回より