練り製品メーカー「カネテツデリカフーズ」(神戸市東灘区)が麺業界に進出―⁉ カニ風味かまぼこ「ほぼカニ」などで知られる同社は、カニかまをほぐして麺状にし、つゆにつけて食べるスタイルの新商品を発表した。同社によると、カニかまによる“麺”の全国展開は「おそらく日本初」という。3月1日(日)から全国のスーパーや同社オンラインショップで取り扱う。
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発売されるのは、その名も「カニかま麺 はじめました」。同社が販売している従来のカニかまの長さは約7.5センチだが、新製品は約14センチ。4束が真空パックされていて、取り出して箸でほぐすと簡単に細い麺状になる。味も通常のカニかまより淡く、添付のつゆにくぐらせて味わう。適度な歯ごたえがあり、そうめんのようなのどごしだ。
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開発のきっかけは、近年の「長く続く夏の暑さ」(同社)。練り製品は、おでんや正月のおせち料理などで冬に多用される一方、夏は全体的に売り上げが伸び悩む。10月ごろまで続く酷暑に対応した新商品を模索する中で、「カニかま麺」に行き着いたという。
「もともと麺好きだった」という開発担当の大田成穂さんは、「いつかはカニかまを麺にしたいと考えていた」と、“野望”を吐露。製品化にあたっては「めんつゆと相性良く食べるために硬めの食感にし、甘みを少し弱め、でも『カニかま麺』の名にふさわしく、カニと海鮮の風味を出す。そのバランスが難しかった」と振り返った。
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そうめんなどと違って火を使ってゆでる必要がなく、賞味期間が20日間と長めなのも魅力だ。大田さんは「食卓の上で簡単にほぐせるので、お子様が自分で食べる準備ができる。タンパク質、カルシウムも入っていて、健康面でもおすすめ。ぜひご家族で楽しんでもらいたい」と話した。希望小売価格は1パック300円(税別)。