「鉄人28号」「魔法使いサリー」も! 神戸ゆかりの巨匠漫画家・横山光輝さん作品の電子版が好評 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「鉄人28号」「魔法使いサリー」も! 神戸ゆかりの巨匠漫画家・横山光輝さん作品の電子版が好評

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 日本漫画界の巨匠・横山光輝さん(1934~2004年)=神戸市出身=の生誕90周年を記念し、2月初旬から配信がスタートした漫画選集電子版が好評だ。代表作「鉄人28号」「魔法使いサリー」のほか、初電子化された“幻の作品”も。関係者は「アクセスしやすくなった横山さんの名作を1人でも多くの人に楽しんでほしい」と話している。

日本漫画界の巨匠・横山光輝さん(右)と代表作「鉄人28号」(全18巻) (c)光プロダクション

 横山さんは神戸市須磨区生まれ。「鉄人28号」「三国志」「バビル2世」「魔法使いサリー」など、幅広いジャンルの作品で昭和の子どもたちの心をわしづかみにし、手塚治虫さん、石ノ森章太郎さんとともに高度経済成長期の日本漫画界をけん引した。

 神戸市と今も関係が深く、JR新長田駅南の若松公園(同市長田区)には、高さ約15メートルの「鉄人28号モニュメント」がそびえ立つ。阪神・淡路大震災からの復興の象徴として2009年につくられたもので、このたび約8年ぶりにお色直しされたばかり。また同区内には三国志ファンらが訪れる「KOBE鉄人三国志ギャラリー」があるほか、市営地下鉄海岸線の各駅構内には十数年にわたって三国志キャラクターの大型壁画が配置されていた。

「片目猿」連載時の横山光輝さん(1963年) (c)横山光輝・光プロダクション
約8年ぶりにリペイントされ、輝きを取り戻した「鉄人28号モニュメント」(神戸市長田区の若松公園)

 今回、電子版配信がスタートしたのはKindleとApple Booksで、初回タイトルは「鉄人28号」「魔法使いサリー」「おてんば天使」の3作。

「鉄人28号」は太平洋戦争末期、秘密兵器として開発された巨大ロボットをめぐり、少年探偵と悪人の攻防が展開する物語。何度もアニメ化され、アニメも大ヒットした。「魔法使いサリー」は、魔法の国から人間界へやってきた少女サリーが繰り広げる愛と友情のストーリーで、少女を主人公とした日本初のアニメ作品としても知られる。「おてんば天使」は、明るくおてんばな女の子を中心としたホームドラマで、このたび初めて電子化された。

 横山さんの作品を管理する光プロダクション(東京都豊島区)によると、横山作品をKindleで読みたいという声は、これまでに多数寄せられており、電子版配信はその要望に応えたかたち。今回、既刊の紙本とは構成を少し変え、扉絵やカラーページを増やして収録しているという。同プロダクションの横山輝利取締役は「往年のファンの方にとっても新しい発見があるのでは」と語る。

「魔法使いサリー」(全2巻) (c)光プロダクション
「おてんば天使」(全5巻) (c)光プロダクション

 横山取締役は横山光輝さんの長男。同取締役は、父から、中学時代は駒ヶ林海岸(現在の神戸市長田区)によく泳ぎに行っていたこと、沖に放置された貨物船を秘密基地のように使っていたこと、高校では水泳部に所属し、須磨海岸が練習場だったことなどを聞いていたという。「『神戸の海が自分を育てた』と言うくらい海が好きな人でした。神戸の海は作品にも頻繁に登場します」(横山取締役)。

須磨高校時代(1952年) (c)横山光輝・光プロダクション
神戸から東京へ。「鉄人28号」を発表し、多忙になった(1957年) (c)横山光輝・光プロダクション
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