元サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」GKで、現在はWEリーグ理事の海堀あゆみ氏が、ラジオ関西の番組の公開生放送にゲスト出演。いよいよ3月1日からシーズンが再開するWEリーグで、3季ぶりのタイトル奪還を狙う古巣・INAC神戸レオネッサの後半戦の見どころなどを語りました。
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元なでしこジャパンの川上直子氏がパーソナリティーを務めるラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2月24日の公開生放送に登場した海堀氏。リスナーや川上氏から、INAC神戸の後半戦の見どころについて問われると、「INACは、守屋(都弥)選手が抜けたところをどう埋めていくのかなというのは正直思うところ」とコメント。クラブの主軸で、ウインターブレイク中にアメリカNWSL(ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ)のエンジェル・シティFCへ完全移籍した、現役なでしこジャパンの右サイドのスペシャリストの穴をどう補うかがポイントだといいます。
昨シーズン終了後のオフには、田中美南選手、山下杏也加選手、北川ひかる選手といった現なでしこ勢だけでなく、天野紗選手、竹重杏歌理選手といった伸び盛りの若手も海外クラブへ移籍したINAC神戸。多くの主力が抜けたなかで2024-25シーズンに入りましたが、前半戦では、首位の日テレ・東京ヴェルディベレーザ(勝点25)に1差の2位。同勝点で昨シーズン王者の三菱重工浦和レッズレディースとともに、優勝争いを繰り広げています。
そんな前半戦のINAC神戸について、海堀さんは「(去年から多くの主力が抜けたが)そのなかでは思った以上に崩れなかった。もっと崩れるんじゃないかと不安だったが、海外から来た選手だったり、選手の皆さんの基礎(レベル)が高いので、さすがだな思って見ていた」と評価しました。
後半戦のカギとなる選手については、「若手がのびのびと力を発揮できるように、あえてベテランの方々に頑張ってほしい」と、DF三宅史織選手、DF土光真代選手、MF成宮唯選手、FW高瀬愛実選手(※「高」=はしごだか)といった、なでしこジャパン経験がある中堅・ベテラン勢をピックアップ。
なかでも、かつてのチームメイトの1人、高瀬選手については、「意地を見せてもらえれば。INACにずっと長くいて、INAC魂を持っている選手なので、若手がそこに絶対についてきてくれるはず。高瀬ちゃんは結果を残してくれますから」と、2009年から15シーズンにわたってクラブ一筋でプレーするベテランストライカーをイチオシ。
「淡々と高瀬ちゃんがやっているから、当たり前にみえるが、WEリーグをみても、あれだけ交代で結果を残す選手って、他のチームを見てもなかなかいない。そこはINACの大きな武器。本当はスタメンから使いたい選手だと思うんですが。あれだけいい選手なので、ここから“(必殺)仕事人”として頑張ってもらえれば、優勝に近づくのかなと思います」と、期待を寄せていました。
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一方、番組内では、パーソナリティーの宮川陽香さんから、「海外への移籍がドドっとあり、WEリーグでやりたいという選手がもっと出てきてほしいと思うが、WEリーグの中にいらっしゃるひとりとしてどう思われていますか?」という質問も。
これについて、海堀氏は、「基本的には、リーグというよりも、選手はクラブ(の所属)なので、クラブがどう考えるかが大きいと思う」と述べつつ、「INACみたいに海外の選手が来るということは、1つ、選手としては、リーグにいても海外の選手と対戦できるという、経験にはつながると思う」と、今シーズンのINAC神戸のように、海外から選手を呼んでリーグを活性化することの効能にも言及。