和楽器の可能性を追求する実力派ユニット・MIKAGE PROJECT 「民謡をもっと身近に」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

和楽器の可能性を追求する実力派ユニット・MIKAGE PROJECT 「民謡をもっと身近に」

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【近藤】 持ち運びができて、こんなにも感動を与えられるってずるくないですか?

【佐藤】 だから、海外にはすごく行きやすいですね。琴は(持ち運ぶのも)大変なので。

【近藤】 そうですよね! どうするんですか? 海外ではレンタルもないですもんね。

【本間】 借りられないので、頑丈なケースに入れて運びます。

【佐藤】 海外だと、扱いが分からない人も多いじゃないですか。投げられたりもするんですよね。

【本間】 飛行機まで荷物を運ぶトラックがあるんですけど、そのボンネットに琴が置いてあって落ちそうでしたね。「どうするんだろう……」と思いながらも、飛行機に乗らなければならなかったので不安で。無事だったのでよかったんですけど。

【佐藤】 海外だといろんなことがありますよね。

【近藤】 それでも、日本の楽器を海外で見られるというのは喜ばれるでしょうから、持っていくしかないですよね。

【タケモト】 もしも壊れたら、どうするんですか?

【本間】 直せる人が数えるぐらいしかいないんです。職人さんも減っていますからね……。

【近藤】 そもそも、なぜ琴をやろうと思ったんですか?

【本間】 母がお琴をやっていたんです。

【近藤】 生まれたときから、そういう環境下にあったんですね。琴は日本の楽器ではあるけれども、触れることが少ないじゃないですか。それでいうと尺八もですよね。きっかけは?

【佐藤】 私は、ひいおじいちゃんの代から代々と。

【近藤】 やっぱりそうなんだ。

【佐藤】 そうじゃないと、普段の生活ではなかなか出会えないですよね。

【近藤】 でも、義務教育に入っているリコーダーは全員やらされるわけじゃないですか。

【佐藤】 尺八は音を鳴らすのが難しいといわれているんですよね。でもやっぱり、和楽器も子どもたちにやってほしいですね。

【近藤】 せっかくだから、教育の場で和楽器に触れられるようにしてほしいですよね。まあでも、予算的に難しかったりするんですかね?

【佐藤】 やっぱり、和楽器をそろえるのには予算がかかるかもしれないですよね。

【タケモト】 和楽器はプラスチック版みたいなものはないんですか?

【佐藤】 ありますよ。

【本間】 尺八に関しては、塩ビ管のやつがありますから。

【佐藤】 水道管で作られたものもありますし。だから、手に入れようと思えば数千円で手に入るんですよね。

【近藤】 尺八の定義って何なんですか? 竹で作っていないとダメなわけではないんですか?

【佐藤】 たぶん、筒だったらなんでもいいんじゃないですか?

【近藤】 えー! ほんとに?

【佐藤】 本当にそうです。歴史をたどると、骨だったり石だったりで作られていて、もともと竹で作られていたわけではないんですよね。

【本間】 奈良の正倉院のなかには、大理石の尺八が残されているんですよね。

【佐藤】 いつの間にか“竹じゃないといけない”みたいになっているんですが、確かに、誰が定義を決めたのかなと思います。

【タケモト】 現在、新曲が配信中とのことですが、新曲はどのような曲なんですか?

【本間】 私の地元の群馬県、そして栃木県で有名な民謡『八木節』と『ロカビリー』を組み合わせた楽曲です。じつは、私はずっとバンドをしていて、リーゼントでロカビリーをやっていたんです。

【近藤】 琴よりもそっちのほうがしっくりきますよ(笑)。

【佐藤】 衝撃発言(笑)。

【近藤】 いや、見た目がね! 黒のファッションで髪の毛長めとなると、「琴やってます」より「バンドやってます」のほうがしっくりきますよ。

【佐藤】 さっき出演した別のラジオでも、「チャラい雰囲気なのにお琴やってて逆にいい」と言われてましたからね。

【本間】 日本には数多くの民謡があって、世界にもたくさんの音楽ジャンルがあります。MIKAGE PROJECTでは、「この民謡はこのジャンルになるんじゃないか」というのを考えてアレンジをしていて、今回は八木節とロカビリーを組み合わせました。

【近藤】 幼いころから琴や尺八に触れているから、民謡と距離が近いんですか?

【佐藤】 う〜ん、どうでしょうね。でも、小学生のときにソーラン節を踊ったり、お祭りで民謡が流れたりしているので、生活に密接している音楽だと思うんです。ただ、それが民謡だという認識がないだけなのかもしれないですね。

【本間】 盆踊りも民謡ですしね。

【タケモト】 盆踊りも民謡のカテゴリーに入るんですね。

【佐藤】 子守唄も民謡なので、こうやって(例を)あげていくとリンクするのかなと思いますね。

【近藤】 民謡って触れていないような気がしてたけど、逆だね。日本で生まれ育ったら、自然と触れているんですね。身に染みついているというか、懐かしさがあるもんね。

【タケモト】 八木節をロックにして配信していますが、海外でやるときはどうなんでしょうか。(海外の人は)日本の民謡に興味があるんですか? それとも、ロックだから人気なんですか?

【佐藤】 メキシコのレオンという場所でのコンサートでは、1500人ほどの野外ステージで公演を行いました。現地には、「クンビア」というメキシコ独特のリズムがあるのですが、そのクンビアのリズムを香川県の民謡『一合まいた(いちごうまいた)』に取り入れて演奏したんです。日本語で歌ったので歌詞はわからなかったと思うんですが、音楽が鳴った瞬間に1500人が踊り出していましたね。

【本間】 日本の民謡の意味はわからなくても、「あっ、クンビアだ」となるんですよね。

【近藤】 へえ、おもしろい! 言語はいらない、というものの代表格だよね。日本の民謡なんだけど、そのまま押し付けるのではなく、その国に馴染みのある民謡やリズムを織り交ぜることによって、一気に受け入れてもらえるんでしょうね。

なにより、アレンジするのがすごいですよね。ずっと頭の中で考えてるんですか? たとえば、音楽が流れてきたら、「あ、これ民謡に取り入れられそうだな」とか。

【佐藤】 ヒントはどこにでもあるので、そういうときもありますね。でも、常に民謡にアンテナを張っているわけではないです。

【タケモト】 近々、大阪でライブがあるんですよね。

【佐藤】 2月28日(金)に、ビルボード大阪で我々MIKAGE PROJECTのコンサートがあります。

【本間】 ビルボードでのライブは初めてで、MIKAGE PROJECTとしては大阪の公演も初めてなんです。

【近藤】 え、そうなんですか? 海外にばかり行っていないで、まず大阪・神戸に来てくださいよ! 関西の人も興味ありますよ! 好きですよ(笑)!

【タケモト】 では、このビルボードライブ大阪でのライブは記念すべきステージになるということですから、ぜひ来てほしいですよね。

【佐藤・本間】 はい、ぜひ!

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