市川町では、街のパンフレットを新しく作り直し、さらなる移住者・定住者の確保に努めています。「公害や災害を防ぎつつ、生活インフラを整え、地域コミュニティーを後押しする施策を打ち出していきたい」とのことで、住民がより快適に暮らせるよう、4月からコミュニティバスの増便を予定。さらに、今年7月に迎える町政70周年を記念して、町内で使える地域商品券(1人7000円分)の配布に向けても動き出しています。

一方、福崎町では、民俗学者・柳田國男さんの生誕地として、「妖怪を活かしたまちづくり」を進めており、もち麦を使った特産品のPRにも力を入れています。町内には、首都圏から移住し、空家活用支援事業を活用して古民家カフェを開業する方もいるそうです。今後は、空家活用支援事業に加えて、創業支援施策の周知にも力を入れ、地域の活性化につなげていきたいとのことでした。


普段、住む町を選ぶ際には、交通の便などの利便性を重視しがちなもの。今回の取材からは、自然の豊かさや地域のつながりといった要素が幸福度に大きく影響していることが分かりました。心の豊かさや生活の質にも目を向けてみると、新たな視点で「自分に合う街」を見つけられるかもしれません。
(取材・文=森本真由)