斎藤元彦・兵庫県知事は27日の定例会見で、自身のパワーハラスメントなどの告発文書を作成した元県民局長の男性に対する「うそ八百」、「公務員失格」という発言や懲戒処分の撤回には応じないと述べた。
この日は、一連の発言からまる1年。ここから県政の混乱が始まった。

斎藤知事は前日・26日に開いた会見で自身のパワハラを認め、謝罪したが、告発者探しについては「やむを得ず、適切だった」としていた。
告発した元県民局長の男性(2024年7月死亡)は同年3月、職員へのパワハラなど7つの項目を告発する文書を配布。
斎藤知事は同月27日の会見で「公務員失格」「うそ八百」だと厳しく非難した。
3月4日に調査報告書を公表した第三者委員会は、これらの発言もパワハラだったと指摘した。
さらに告発文書を公益通報と扱わず、男性を懲戒処分としたのは違法で、懲戒処分は無効だとした。
斎藤知事はこの日の会見で「報告書は真摯に受け止めるが、文書は誹謗中傷性が高く、県の対応は適切だった」と繰り返した。
また“うそ八百発言”については撤回せず、「真摯に批判を受け止めて反省する」と述べるにとどまった。
過去に県職員がパワハラで処分されたことがあるのに、10件のパワハラが認定された知事がなぜ処分されないかと問われたが、斎藤知事は「襟をただして再発防止に努める」との説明を繰り返した。