3月31日付で着任した兵庫県警の小西康弘本部長(56)が4日、本部で記者会見した。
小西本部長は、昨年(2024年)11月に斎藤元彦知事が再選された兵庫県知事選挙や県政をめぐり刑事告訴や告発が相次いだことについて「現在、所要の捜査を進めている。不偏不党の立場を堅持し、法と証拠に基づいて適切な捜査指揮を執る」と述べた。

また、内部告発された斎藤元彦知事について県議会・調査特別委員会「百条委員会」のメンバーに誹謗中傷メールが多数届いたことについて、「被害届の提出があれば、真摯に対応する」と話した。
兵庫県警の基本理念として、「県民の安心・安全を守る力強い警察」を掲げる小西本部長は課題として、
▼特殊詐欺の被害防止 件数と被害金額が2024年は過去最多となり深刻
▼「トクリュウ」と呼ばれる交流サイト(SNS)などを通じ、犯罪ごとに離合集散を繰り返す匿名・流動型犯罪グループ対策
▼2015年に分裂して10年となる六代目山口組と神戸山口組など暴力団への対策、を挙げた。
小西本部長は岡山県出身の56歳。東京大学法学部卒業後の1991(平成3)年に警察庁に入庁し、京都府警警備部長や石川県警本部長などを経て兵庫県警本部長に着任した。
こうした経歴を通して実感したのは「自分が常に正しい判断をしてきたかというと必ずしもそうではない。自分のものの見方がずれていることもある。それを正してくれるのは、信頼する上司や同僚、部下たちのアドバイスだった。引き続きコミュニケーションを大事にしたい」と話した。