職場で実際に起こった感動的なエピソードを動画でPRするコンテストで、明石市で障がい者就労支援A型事業所を展開する会社が、グランプリなど三冠に輝いた。その感想や秘話などを担当者に聞いた。
「感動物語コンテスト」(主催:一般社団法人・人が輝く経営実践会)グランプリ大会でグランプリ、未来世代共感賞、応援共感賞を受賞したのは、明石市のグッドフェローズ株式会社。
同社はもともと障がい者の就労支援事業所からスタートし、当初は3か所の事業所を運営。コロナ禍の2021年にリハビリ型デイサービスとして高齢者支援の事業所を展開すると、その翌年、2022年に放課後等デイサービスとして発達障がいを持つ人を預かる施設と、就労継続支援B型の施設も立ち上げ、現在は6つの事業所を構えている。
検品や梱包作業とともに、スイーツの製造・販売を行っている事業所もある同社。「利用者が軽作業ばかりではなく、作業自体に誇りを持てるようにお菓子作りの展開をはじめた」と話すのは、同社の代表取締役・丹頂淳司さん。「手前味噌だが、この事業所で作っているチョコレートが本当においしい」と胸を張る。

今回、「感動物語コンテスト」で三冠を達成した動画は、就労継続支援の事業所で働く支援員と利用者の二人三脚の物語だった。
利用者の父親が倒れてしまい、その父親が元気になってもらうために何かできないかと考えたところ、就職することが一番望んでいることだろうとの結論になったといいます。就職に向かって進もうとしていると、母親らから「(障がいを持つ子どもに)そんな大変なことをわざわざさせないで」という声が。就職してから万が一うまくいかなかったときの将来の不安があるため、このまま就労支援の事業所にいさせてほしいという思いからの反対意見だった。
ただし、「厳愛」「慈愛」「無償の愛」を大切に支援をしようという理念を持つ同社は、地道に対応。
「『厳愛』はその人のためになることであれば流さずにしっかり伝えようよという考え。そして『慈愛』は一旦関わったならば、その人が成長するまでしっかりと付き合おうという考え。そしてそこに何か見返りを求めるのではなくて、その人のために誠心誠意尽くそうという『無償の愛』です」(丹頂さん)
この三つの愛に沿って支援員が対応を続けたところ、家族も納得し、そのうえで全員で同じ方向に進むことができ、就職が叶ったという。
そのエピソードが評価され、今回の受賞に至ったことについて、丹頂さんは、「障がい者の就労支援や福祉というと、どうしても敬遠されがちな仕事。また、何をしているかもわかりにくい面もあります。しかし、今回こうして我々が受賞することによって、若い世代の人たちにも、『(支援員は)こんなにやりがいがあって、人の役に立てる素晴らしい仕事だ』ということが伝わればいいなと思います」と述べていた。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より



