青い海と空に映える、赤と白のカラーリングにスっとくびれた姿が印象的……それが“兵庫・神戸”を代表するシンボルマーク「神戸ポートタワー」(神戸市中央区)です。ちまたでは「鉄塔の美女」とも呼ばれ、一目見たら忘れられない存在感を放っています。
神戸の人々はもちろんのこと、日本各地や世界各国から観光客が訪れるスポットとして知られる神戸ポートタワーですが、なぜこの配色やデザインになったのでしょうか? 理由を神戸ウォーターフロント開発機構の担当者に聞きました。
☆☆☆☆
神戸ポートタワーが誕生したきっかけは、1959年に神戸港振興協会(現:神戸観光局 港湾振興部)が行ったオランダ・ロッテルダムの視察でした。その際、港に立っていたタワーに魅力を感じた協会会長で神戸市長でもあった原口忠次郎氏は、「神戸港にも建設できないだろうか」と考え計画を進めたのだとか。
さて、神戸ポートタワーといえば“全体色は赤・屋上や内装は白”という配色がおなじみですが、当初は「シルバー」のみで塗装する予定であり、設計完了時においても関係各所から賛同を得ていたそうなのです。
しかしながら航空法の「塗装に関する規定」を受け、赤白交互にするという案に変更。すると「タワーの外観をはなはだしくそこねてしまう」という声が上がり、シルバーで再検討されました。ですが、かすみがかった日などは「タワーが見えにくい」などというデメリットが発覚……。このような紆余曲折を経て、現在の配色が採用されたのです。
デザインを確定させる際に重視されたテーマは2点。「神戸市民のシンボルとなり、しかも他都市のタワーに負けないもの」「できれば世界的な価値があり、美しい神戸の街にマッチしたもの」でした。
建設予定地が狭かったことも踏まえ、構造的に非常に優れた鋼管構造を採用。結果、必然的にくびれたスタイルの「つづみ型デザイン」に決定したそう。





