漫画家の棚園正一さんと、FM三重のパーソナリティー・代田和也さんが、ラジオ関西の番組にゲスト出演。不登校だった自身の過去を語り、同じように悩む人たちへ力強いメッセージを届けました。

棚園さんは、自身の不登校経験をもとに描いた漫画の出版や、全国での講演活動など、発信を続けています。
一方の代田さんは中学時代に不登校だった経験を踏まえ、昨年、多くの学校で2学期がはじまる9月2日の午前0時に特別番組を放送し、話題となりました。
2人に共通していたのは、“ラジオが心の支えだった”ということ。当時、昼夜逆転の生活を送っていた2人にとって、深夜のラジオは孤独を癒す存在だったと語ります。
代田さんは、「昼夜逆転してしまって夜中ずっと起きているときに、ラジオが心の支えになってくれました」と回顧し、棚園さんも深くうなずきながら共感を示しました。
番組では、不登校になったきっかけや、当時の気持ちにも踏み込んだトークが展開されました。
棚園さんは、「小学1年生のときに、担任の先生から殴られたことがきっかけでした」と語り、こう続けます。
「小学校から中学校まで、合計9年間行かなかった。行けない間に、行けない理由がどんどん増えていってしまって、雪だるま式に行けなくなった」(棚園さん)
代田さんは、「じつは、不登校になったきっかけはいまでもよく分からないんです」と告白。当時の葛藤について、赤裸々に語りました。
「(住んでいたのが)田舎なので、小学校の同級生は変わらず中学校にあがる。環境は大きくは変わらなかったのですが、ある日突然足がすくんで、『今日はちょっと行けない』という気持ちになってしまった。当時は、『1日ズル休みしちゃった』という気持ち。それで、友だちに『なんで昨日休んだの?』と聞かれるのがつらいなと思って、今日も行けない、その次も行けない‥…。行けない期間が長くなるほど、『もう行けないな』という気持ちになってしまった」(代田さん)
その後、現在に至るまでの道のりについても、それぞれの視点で語られました。
棚園さんは、「何度も挫折したけど、いまの時点で言えるのは“続けることが1番大事”だということ。どんなときも、人への感謝を忘れずに頑張り続けることが大事。とにかく少しずつでも続けていくことが近道でもあり、大きな力になると思う」と語りました。
不登校の期間を乗り越え、ラジオ局へと就職した代田さん。そのなかで、「周りの人に『ラジオの仕事がしたい』と言えていたことが、いま思い返して1つだけ誇れるところ」と振り返りました。





