「日本との一番の違いは『本人が主催する』というところでしょう。日本では周囲が『お祝いしてあげる』というのが一般的ですが、ドイツでは誕生日を迎える本人がパーティーを企画してゲストを招くケースが多いです。職場や学校においても主役自らが同僚や友達のためにケーキやお菓子、軽食を持っていきます」(石井さん)
子どもの場合も同じで、学校にグミやチョコなど個装されているお菓子を持参するケースがほとんど。誕生日パーティーも家族が開催することになるので「準備が大変!」と大わらわになるそうです。そこは日本の誕生日会とどことなく似ています。
プレゼントを贈る際にも「少額でも気持ちが大事」という考え方をもとに選ぶそう。スパや料理教室などの「体験型ギフト」、ワインやチョコレート、本や花(特に季節の花)、ハンドメイド雑貨やアルバムといった相手の趣味に合った小物や手作りのものが好まれるのだとか。
また、誕生日パーティーといえばやはり豪勢なデコレーションケーキやごちそうがずらりと並ぶイメージが強いですが、ドイツではひと味違います。

「ドイツでは、誕生日に立食スタイルでのホームパーティーがおこなわれることが多いです。そのため、立ち話をしながらつまめるピンチョスやサンドイッチなどのメニューが並ぶ傾向にあります。日本人からするとお腹にたまりにくく、やや軽食に感じるかもしれません」(石井さん)
その際、ケーキも「マルモルクーヘン(マーブルケーキ)」や「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ(黒い森のさくらんぼケーキ)」といった伝統的なドイツ菓子が好まれる傾向にあります。
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ドイツでは「誕生日の前祝いはNG」というジンクスがある一方、家族や親しい友人の間で「誕生日の始まりである0時ぴったりにお祝いする」という習慣も存在していたそうです。何がタブーなのか、もしくは歓迎されているのかはその家庭や地域によって異なるもの。もしドイツで誕生日を祝いたい場合は、前もって情報を知っておくことをおすすめします。
(取材・文=つちだ四郎)
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