Z世代の傾向にも言及。「周囲と同じではなく“自分らしさ”をとても大切にする世代。『周りと被らない自分だけのスーツが欲しい』などといった声が多いですね。表地や裏地・ボタンなどを好みにカスタマイズできるため、ニーズを満たせているのでは」とのこと。
さて実際オーダーするとなった場合、メンズとレディースではどういったスタイルの違いがあるのでしょうか?
「好みのサイズ感・自分らしいスタイルで……という点では両者に違いはありません。しかし、ディテールなど『選べる選択肢』が多いのはメンズですね」(濱野さん)

メンズスタイルの特徴を濱野さんは次のように述べます。
●生地やオプションが多い。スーツを作るための選択肢が豊富。
●レディースでは扱っていないダブルのジャケットを仕立てることができる
(同社ではメンズのみ可能)。
●男性らしいカチッとしたスタイルを演出できる。
●メンズならではの体のラインを拾わないシルエットで仕立てられるため、普段着のようなオーバーサイズで着用ができる。
ほかにも既製品のスーツでは肩が合わない人も多いことから、既製品にはないYA1(身長160センチ・細身)など、型紙の種類が豊富であることも付け加えていました。
特に人気なのがダブルジャケットなのだとか。「ジャケットのみを仕立てて、お持ちのボトムスと合わせるなどの着回しが可能です。ビジネスシーンでは名刺などを入れるため、ポケットの多さも好評」と濱野さん。

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女性の間でメンズスタイルのスーツが注目されている中、今後の展望について「性別にとらわれず、どんなお客様も自分だけの1着を作れるよう型紙やディテールの種類を増やしていきたい」と語った濱野さん。ビジネスやフォーマルシーンにおけるファッションスタイルにも、“生き様”を表現できる時代がやってきたのかもしれません。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年5月13日放送回より



