【賃貸のデメリット】
家賃を払い続けても「資産」にならない点です。長年住み続けても住宅という財産が手元に残らないため、老後の生活コストが下がりにくいという懸念があります。リフォームや間取りの変更がNGである場合が多く、管理会社のルールや制限の中で生活する必要があるといった点では持ち家と比べて自由度が低いと言えます。
さらに、高齢になると賃貸契約の更新や新規契約が難しくなるケースが事実としてあります。子どもが独立して世帯人数が減っても家賃の額が変わることは少なく、住まいのコストに柔軟性がない点も見逃せません。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、どちらが良いのでしょうか?
「住宅業界に携わる者としては、資産として残り将来の安心につながるという点で『持ち家』と言いたいのはやまやまです。しかし、住まいは一生に関わる大きな選択。ご家族の将来設計や仕事のスタイル・ライフステージ・経済状況など、さまざまな要素を踏まえたうえで判断すべきだと考えています。その答えは状況によって異なる……というのが正直なところですね」(西さん)
大切なのは「どちらが良いか」をいきなり決めるのではなく、住宅ローンの仕組みや家づくりにかかる費用やそれぞれの違いについてしっかり知ることだと西さんは言います。
「知識を得たうえで『今の自分たちにはどちらが合っているのか』を考える必要があります。選択に正解はありませんが、知らないまま決めてしまうことが後悔につながることも。だからこそ、情報を集め何が必要なのかを考えて欲しいです」(西さん)
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持ち家にしろ賃貸にしろ、どちらにするか決める際はまず「知ること」を心がける必要がありそうです。

(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年5月14日放送回より





