◆「DIYリノベ」は要注意
古民家再生などのDIYブームも、シロアリ被害と無縁ではいられない。「古い家は昔からシロアリにとって居心地がいい場所。土台だけ新しくしても、そこが新たな“食べ物”になります」。化学薬品を使うか自然素材を選ぶか、目的に応じた使い分けが重要だと、老舗業者ならではのこだわりも明かす。
◆「家に近づけない」方法も
「人間の家に住んだばかりに悪者扱いされていますが、本来、倒木をかじって土に戻す“自然の掃除屋”なんです」と今村さん。長年見続けていることで、シロアリへの愛着もわくそうで、「我々はシロアリがワーッと出てきてもむやみに殺そうという気はあまりおきない」と本音も。
可能な限り殺さず、自然素材の薬剤を使って「家に近づけない」方法もあるという。例えばヒバ油由来の薬剤を用いることで、化学物質を使わずにシロアリを遠ざける手法も開発されている。ただし、「予防でも5~6年たつと、どうしてもやってくる。一生持つわけではないので」。シロアリ対策は一時的ではなく、恒久的に必要だと、今村さんは呼びかける。
◆「シロアリはどこにでもいる」と思うことが第一歩
「地面に木材があれば、どこにでもシロアリはいます」と今村さん。被害を“ゼロ”にすることは難しいが、構造や湿気、外来種への注意など、少しの知識でリスクを大きく減らすことはできる。住宅の寿命や安心を守るには、“見えない敵”を正しく知ることが、何よりの備えになるだろう。




