

このほか、七福神の戎神と弁財天による舞、オペラ「乾杯の歌」とのコラボレーションも企画した。

海外からの来場者にもありのままを観てもらいたい、との思いから、万博のステージは、舞台と客席(桟敷)との間で段差のある部分の垂直な面を指す“蹴込み”を設けず、オープンスペースにした。

「人形の頭から足の先まで、生き生きした表情が伝わるから」と吉田さん。
御食国(みけつくに)・淡路島から京の都に海産物などを献上していたことにちなみ、毎年7月上旬に八坂神社(京都市東山区)で行われる「鱧(はも)道中」でも、舞殿での「戎舞」はオープンスペースで演じる。

吉田さんは、「古典芸能は、たくさんの人間で共有して伝えていく総合芸術。分け隔てなく多様性を重んじる、万博の理念とも合うのではないか」と、これからの可能性を語った。


【淡路人形座】娯楽として淡路の人々の生活に深く溶け込んでいた人形浄瑠璃だが、昭和30年代になり衰退傾向にあったため、継承を目的に1964(昭和39)年に発足。1975,(昭和51)年には、喜怒哀楽を情緒豊かに表現する舞台芸術として、淡路人形浄瑠璃が国指定重要無形民俗文化財に指定された。
近年はフランス、オーストラリア、マレーシア、トルコなどでも公演。活動の幅を広げている。





