そうした背景から、加藤さんは「地球には本来『国境線』というものはないんですよ。人間が地図というものの上に線を描いているだけであって、地球そのものには線はない。“1つの星に、みんなで生きてる”っていう感じ」と語ります。
「自分でもびっくりしちゃうんだけど、誰も行かないようなところで結構コンサートをしてるんです」と笑う加藤さん。国境を越えた出会いの一つひとつが、平和への想いを強くしていきました。
「ブータンで出会った男の子に、『音楽は何で聴いてるの?』と聞いたら、『iPod』と答えたんです。要するに、どこに行っても同じメディアで繋がっている。インターネットの時代ですね。そういう時代に100年・200年くらい前の国境の線を引いたって、幻想みたいな気がしていて。みんな同じ感覚で生きていて、繋がっていて、情報はすぐキャッチできる時代に生きていると実感しています」(加藤さん)
そんな加藤さんの思いは、コンサートツアーの副題「80億の祈り」に込められています。

(文=黒川良彦)
※ラジオ関西『ハートフルサポーター』2025年5月19日放送回より



