プロ野球・巨人の選手・監督として一時代を築き、「ミスタープロ野球」と称された長嶋茂雄さん(巨人軍終身名誉監督)が、3日朝、肺炎のため、東京都内の病院で死去した。89歳。その訃報を受けて、関西でも哀悼の声が広がっている。関西のG党も痛惜の念ひとしおに長嶋さんを偲んだ。
関西のラジオで巨人を応援し続けている、ラジオパーソナリティーの三上公也さん。自身が担当する朝の番組『三上公也の朝は恋人』(ラジオ関西)生放送中に、巨人の象徴である長嶋さん死去の報に触れ、自らの声でニュース速報を伝えた。

東京都出身で、物心がついたときからの巨人ファン。小中学生時代に長嶋さんの現役時代のプレーを後楽園球場で目の当たりにし、「ここでというときにホームランを打ってくれる」スターに憧れのまなざしを向けていたという。現役引退時の「私は今日で引退しますが、わが巨人軍は永久に不滅です」という名せりふが生まれた様子は当然、記憶に残るワンシーン。「球場の灯りが消えて、スポットライトを浴びて……あんな引退セレモニーは、当時あまり見たことがなかった」。
ラジオ関西のアナウンサーになり、神戸、関西の地に来ても、巨人ファンとして、マイクを通して応援を継続。ただし、「入社はスポーツアナウンサーとして入ったので、どこかで長嶋さんに会えるかなと、憧れというか夢はあったが、スポーツアナウンサーで入りながら結局スポーツ実況などに携わることはなく、ずっと朝のワイド番組や音楽番組を担当していた」。
心残りは、長嶋さんと直接会えなかったこと。「数字の『3』というわけではないが、太陽のように燦燦(さんさん)と輝いている人。とにかく明るい印象しかない。周り(メディア関連の知人・友人)からもそのままの人だと聞いていた。お会いしたかったですね……」。
89歳で天命を全うしたのは、自身の父と重なる。ミスターの訃報には「なによりも『ええっ……!?』という感じ」と、本音も吐露。「いまは『安らかにお休みください』としか(言えない)。脳梗塞で倒れられてから、辛いリハビリを頑張り、東京五輪(2021年)の開会式に出られるなど、あそこまで復活されたのが(すごいこと)」と、三上さんは恐縮しながら話す。
三上さんが心配するのは、今のチームへの影響。「勝ったり負けたり(1試合での思いの)落差が激しいなか、一丸となって戦い、阿部さんが監督として引っ張っているが、ひとつ、終身名誉監督の長嶋さんがいるから(頑張れる)というのもあったと思う。そこがなくなると、本当にこのあと一枚岩で戦っていけるのかな……」。それでも、「長嶋さんは太陽だったと思うので、(チーム、ナインにも)明るく前を向いてほしい」と、ひとりのファンとして、現場への思いも述べていた。
三上さんの番組には、一報が流れた直後、巨人ファンのリスナーから「長嶋さんが亡くなったって本当ですか……」と、レジェンドの死に動揺の声も。また、「巨人ファンとして悲しい」「プロ野球ファンにとって(長嶋さんは)プロ野球第一人者なので悲しい限り」など、長嶋さんを追悼する数多くのメッセージが寄せられていた。






