神戸市立王子動物園(同市灘区)で20年以上にわたって親しまれ、2024年3月に死んだジャイアントパンダ「タンタン」の剥製と骨格標本などが26日午前、故郷である中国の空港に到着したことが分かった。同日、動物園が発表した。タンタンは中国側から期限付きで貸与されており、同園によると契約上、死後であっても返還が必要だったという。
雌のジャイアントパンダ「タンタン」は阪神・淡路大震災から5年後の2000年7月、中国から同動物園に貸し出された。以来、復興のシンボルとして親しまれ、「神戸のお嬢様」と呼ばれて愛されたが、昨年3月、心臓疾患によって28歳で死んだ。人間に換算すると100歳相当の長寿だった。
タンタンの死後、中国側と協議の上、剥製などにして返還することが決定。神戸市は約730万円をかけて剥製と骨格標本を作成した。動物園によると、今回の返還は国際的にも一般的な対応という。
動物園の担当者は「タンタンは生まれ故郷である中国に帰国したが、神戸での生涯を通じて、ジャイアントパンダの飼育管理、治療などについてたくさんの知見を残してくれた。タンタンに関心を寄せ、愛してくださったすべての方にあらためて心から感謝したい」と話した。





