関西学院大学アメリカンフットボール部の元監督・鳥内秀晃さん。大阪府出身で同部のOBでもあります。1年時の秋からディフェンスバック、キッカーとして試合に出場し副将を務めた4年時には守備のリーダーとして活躍。卒業後は指導者の道に進みました。そんな鳥内さんが、ラジオ番組にて「主体性を育む指導法」について語りました。

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関西学院大学では28年間にわたり監督を務め、就任前のコーチ時代を含めると指導歴は33年。関学ファイターズを全国トップレベルのチームに育て上げ、甲子園ボウルでは12回の優勝を達成しています。
「言いたいことは、正直に言うべき。(指導する側が)上から目線で無理やりやらすだけでは、イエスマンしか育たない」と語る鳥内さん。学生が自ら考え、自由に意見を言える環境づくりを重視していたといいます。
鳥内さんは、チーム内のコミュニケーションにも独自の工夫を凝らしていました。ミーティングではなく「面談」という形を取り、一方的に指示を出すのではなく、学生が「何をやりたいか」を丁寧に聞くことを意識していたといいます。「4年生とは必ず1対1で面談し、(約束した内容を)文字に書き起こして、全員で共有するように指示。2年生と3年生は少人数で集まり、お互いの今年の目標を確認し合うように指示していました。1年生は僕が面談して……そうやってやっていけばワガママできないし、“教えていく立場”の勉強ができる。“教えられる立場”に留まっているだけでは得られないモノも身につけられる」と語りました。
レギュラーからサポートメンバーまで、“全員がチームに貢献できる仕組みづくり”にも力を入れていたという鳥内さん。「女子マネージャーもいましたが、『雑用係はいらない』と伝えていました。マネージャーであっても、サボっていたり適当にやっていたらはっきり言わないといけない。玉拾いひとつにしても、上級生が率先して動きます」とのこと。
野球の大谷翔平選手やサッカーの遠藤航選手など世界で活躍する日本人アスリートが増える中、「日本人がNFLで活躍する日は来るのか?」という質問も。
これに対して鳥内さんは、「あと30年かなあ。でも、純日本人の血だけではしんどい」と現実的な見解を示しました。さらに、「(日本の選手は)順番待ちをしがち。もっと厚かましくていいと思う」と述べ、スポーツにおいては“平均や平等を重視する教育”から脱却する必要があると指摘しました。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2025年7月7日放送回より





