昭和から平成、そして令和。時代に即し大きく変化してきたもののひとつが住宅環境です。中でも、近年注目されているのが「ソーシャルアパートメント」なるものだそう。株式会社グローバルエージェンツ(本社:東京都渋谷区)の担当者に詳しく話を聞きました。
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そもそもソーシャルアパートメントとはどのような物件なのでしょうか。
「一般的な賃貸マンションにあるような“部屋だけ”ではなく、『共用スペース』や『入居者同士の交流』といった付加価値のある物件のことです。言ってみれば、一人暮らしとシェアハウスの良いとこ取りができる住まいです」(担当者)
プライベートな空間を確保しながらも他の住民と適度な交流ができるため、20代〜30代を中心に入居者が増加しているのだとか。
同社は関東・関西圏に47棟のソーシャルアパートメントを展開しており、その稼働率を聞くと全体でなんと95%を超えるのだとか。ちなみに8月オープンの最新棟(新大阪エリア)は現時点で6割以上の居室が埋まり、そのうちの約2割が関西圏外からの入居やリモートワークで職場が関西ではない人だと言います。
さて、「人との交流が目的の入居」が大半ではあるものの、実のところ入居者たちは「常時交流したい訳では無い」のだとか。そのためソーシャルアパートメントでは共用スペースを通らずに自室に帰れる導線もあるなど、あくまでも“自分のタイミング”で他者とのコミュニケーションを楽しめる設計が特徴だといいます。
住環境において様々な選択肢がある中でソーシャルアパートメントを選んだ理由は何だったのか、同社が入居者300人に向けて実施したアンケートを見ると「心機一転」「他の人と暮らすことによる楽しさ」が最も多い回答でした。また、単身世帯が増えている社会背景から40代以上の入居も多く、約15%を占めていると担当者は話します。
担当者によると、仕事と家の往復で忙殺されながらも「人間関係の構築」を求める人が増えており、特にコロナ禍以降はリモートワークの増加でワーキングラウンジの需要も高まっているそうです。
「近隣との関係が希薄になり、ある意味孤独な環境になりつつある現代社会。だからこそ『ご近所付き合い』の良さを再認識し欲する人々が増えているのかもしれません」と見解を述べ、担当者はインタビューを締めくくりました。
(取材・文=濱田象太郎)
※ラジオ関西『Clip』2025年7月29日放送回より





