ギャップ萌え!? ガテン系の“格好良さ”魅せるコンテスト 主催者「業界のイメージアップになれば」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ギャップ萌え!? ガテン系の“格好良さ”魅せるコンテスト 主催者「業界のイメージアップになれば」

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 建設・建築現場など身体をはる仕事は昔から“ガテン系”と言われているが、その言葉のイメージには「きつい・つらい・夏は暑く冬は寒い」など、とかくネガティブなイメージが先行する。しかしながら、本来はやりがいや責任のある命懸けの仕事だ。

 これらの現場で活躍する職人が普段から着用するのが「作業服」。機能的であり安全を守るためのいわば「相棒」、そして「プライド」そのものと言っても過言ではない。こうしたガテン系の人々は、仕事を終え作業服を脱ぐやいなや「オシャレなルックス」に変身することが多いのだとか。この“ギャップ”を様々なパフォーマンスを交えて競う、年に一度の「檜舞台」があるという。

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 件の舞台とは「第3回GTK-1コンテスト in大阪」。去る令和7年7月13日、大阪市北区にあるブリーゼタワー内サンケイホールブリーゼで開催された(第1回・2回は姫路で開催)。出場者は昨年・一昨年同様、「我こそは!」とエントリーしてきた解体業・とび職・塗装工・大工・シャッター工など、20代中心の12名。

 熱烈なパフォーマンスを引っさげたガテン系たちを審査したのは以下の面々。

▼プロレスラー・神取忍氏▼伝統河内音頭継承者・河内家菊水丸氏▼三ノ宮ピンクの人・シュガーママ▼全国天地の会・会長の大田忠道氏▼参議院議員・石井苗子氏▼株式会社WhiteShepard代表取締役・直美氏

 ゲストにはショーモデルで格闘家のアディオス氏、同じく皇治軍団太田裕作氏がコンテストに華を添えた。総合MCは、スポーツ会場アナウンスやイベント司会などで活躍中の平野智一氏と、今年も豪華な布陣となった。

審査員席の様子
審査員席の様子

 前半の「作業着の部」では河内家菊水丸氏の『河内音頭(太鼓とエレキギターの生演奏バージョン)』に乗って出場者達が入場。ヘルメットはもちろんのこと、様々なプロ御用達の工具を下げた“ヘビーデューティ仕様”の重装備の者、また実物のシャッターを担いで入場するツワモノも。

 全身ペンキまみれの作業着を着こんだ塗装工のチームに審査員・石井苗子氏が質問を投げかける場面も。

石井氏「作業着はもともとこんなデザインなんですか?」

選手「一回の現場でこのくらい塗料が飛び散ります」

 海外(ミャンマー・タイ)出身の若者も参加しており、会場には母国から駆け付けた仲間たちが大きな声援を送っていた。

河内音頭の生演奏
演奏に合わせ入場する出場者ら

 後半は「普段着姿の部」。出場者達は思い思いの選曲をバックに、工夫を凝らした演出で壇上に立った。「海水浴風スタイル」「推し球団のユニフォーム姿」「浴衣」など多種多様な装いが披露された。パフォーマンスとして寸劇やコントに挑戦したり、中には審査員・神取忍氏にボディブロー打撃を要求する者も。期待通りに悶絶し、観客や審査員らに猛アピールしていた。

 グランプリを獲得したのは加古川から参加した田尻雄司さん・浩司さん兄弟。「双子で大工でプロボクサー」をキャッチフレーズに終始息の合ったパフォーマンスを見せた。彼らは強烈なキャラクターと根性の持ち主。それを証明するのが、亀田史郎氏のYouTube企画「3150ファイトクラブ」。ふたりはこれに応募し、多数の応募者の中からなんと揃って合格したのだ。兄の雄司さんはサウスポー、弟の浩司さんは正統派ボクサー。兄弟そろってチャンピオンを目指し、もちろん大工仕事も丁寧な仕事で頑張っていきたいと笑顔で語った。ちなみに、田尻家は祖父・父親・息子と3代続く大工の家系だという。

今回のグランプリ田尻雄司さん・浩司さん。第1回グランプリのアディオス氏と共に

 第1回グランプリ受賞者で「作業着ファッションシショー」モデルとして登場したアディオス氏(初代日本ユーススーパーウェルター級チャンピオン)は次のようにエールを送った。

「このコンテストでグランプリに選ばれた直後にボクシングでもチャンピオンになれた。今回グランプリを獲った双子ボクサーもぜひチャンプに!」(アディオス氏)

 大会主催者で総合プロデューサーを務める直美氏は、「すべての人が自分をいたわり心を豊かにして欲しい」をモットーにメンズコスメティックブランドを立ち上げたりミャンマー人材職業紹介業にも取り組んでいる。そして建築関係にも造詣が深い。

「キツい・汚い・危険……3Kのほかにも困難が多い業界なのは確か。しかも近年は働き方改革により発生したゆがみに直面しており、慢性的な人材不足に陥っています。ですが最前線の現場で仕事をしている方々に“輝く場”を提供することで、『カッコイイ』『あんな人になりたい』『建設の仕事に就きたい』とイメージアップできたらと。そのためにまだまだ頑張りたい」とメッセージを発した。

主催者の直美氏
エンディングの様子

(取材・文=黒川 良彦)

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