地域と芸術の新しい関係性 注目集める“現代サーカス”が『豊岡演劇祭2025』で上演 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

地域と芸術の新しい関係性 注目集める“現代サーカス”が『豊岡演劇祭2025』で上演

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 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、瀬戸内サーカスファクトリー主宰の田中未知子さんが出演。立ち上げの経緯や、9月11日(木)から開催される『豊岡演劇祭2025』での公演について語った。

瀬戸内サーカスファクトリー主宰の田中未知子さん

 北海道出身の田中さんは、2011年、香川県に単身移住。瀬戸内サーカスファクトリーは、2012年に任意団体として立ち上げたのち、2014年に一般社団法人としてスタートした“現代サーカス団”だ。

 フランス発祥の舞台芸術としての現代サーカスを日本に誕生させ、発展させることが目的。作品を作って公演するだけでなく、日本のさまざまなアーティストが海外に向けて発信できる環境づくりにも取り組んでいる。

 元北海道新聞事業局の田中さんが現代サーカスの世界に飛び込んだのは、偶然の出会いがきっかけだった。文化事業を担当していた田中さんのもとに、突然、フランスの現代サーカスを札幌に呼ぼうという話が浮上。折しも、現代サーカスを特集したテレビ番組を見て魅了されていた田中さんは、すぐさま上司にプロジェクトを任せてほしいと申し出た。

 田中さんは、「フランスから来日した13人のサーカスアーティストと出会ったその瞬間、人生が変わった」と振り返る。

「サーカスの技とか演技というより前に、アーティストの立ち姿・目・たたずまいに深く感銘を受けました。そこで『あ、たぶん人生変わる』と思ったんです」(田中さん)

 その後、新聞社を退職しフランスへ。日本初の現代サーカスに関する専門書を2年半かけて出版し、その後、芸術祭の仕事に携わるなかで瀬戸内地域に拠点を定めた。

「『第1回瀬戸内国際芸術祭』で初めて瀬戸内を訪れたのですが、北海道とはまったく異なる豊かな伝統芸能と文化に触れ、新しい芸能を生み出す可能性を感じました」(田中さん)

 現在、瀬戸内サーカスファクトリーは7人のプロアーティストを擁し、現代サーカスを日本に広める活動を続けている。

 最新作『Workersワーカーズ!』は、地域に根差す職人らと連携して唯一無二の表現を生み出すプロジェクト。今回は木工職人と協力し、釘を使わない独自の舞台装置を創造。サーカスアーティストが木材の上で演技するという、前例のない芸術表現に挑戦している。

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