小出の真骨頂といわれる裸婦像は、後半部にまとまって展示されている。小出の裸婦は胴の長さや太ももの大きさを強調するかのようなデフォルメが施されているが、顔はあえて個性を消して描いているのが特徴的だ。赤や薄い緑色などを用い、立体的でなめらかな裸体に仕上げている。展示の締めくくりとなる、選りすぐりの裸婦像を集めた「ハイライト」コーナーには、リラックスした様子で寝そべる女性、背中を向けて髪を結ぶ女性など、自然で温かみのある7作品が並ぶ。

内覧会で、展示を担当した高柳有紀子・同館研究副主幹は「今回、協力してもらった作品所蔵者は、だいたい 作家やモデルたちの孫世代。25年ぶりにたんすの裏から作品を引っ張り出してきたという人もいた。あと10年遅かったらその作品はたどれなかったかもしれないし、実際、25年前にはあったが今回はたどれなかったケースもあった」と明かし、「小出のような日本美術史上、重要な作家であっても、忘れ去られてしまう危機感をひしひしと感じた準備期間だった」と振り返った。
菅谷富夫館長は、小出の大規模な展覧会が四半世紀ぶりに開かれた背景について「近代洋画に対する関心や需要がだんだんなくなってきているのが今の状況」とし、「美術の歴史や、こういう世界もあるのかという興味関心が切り捨てられ、私たちの精神世界はますます小さくなっていく気がする」と憂慮。「100年前、小出楢󠄀重という作家がいて絵を描いていたことを知ってもらいたい。美術全集で完結するのではなく、現場で作品を見てもらって、油絵や近代洋画の世界をもっと知ってほしい」と話した。

◆「小出楢󠄀重 新しき油絵」
会場 大阪中之島美術館 4階展示室(〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-1)
会期 2025年9月13日(土)~11月24日(月・振休)
休館日 月曜日(10月13日、11月3日、11月24日は開館)と10月14日(火)、11月4日(火)
開場時間 10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料(税込) 一般1700円、高大生1200円、中学生以下無料
問い合わせ 大阪市総合コールセンター 06-4301-7285(8:00~21:00 ※年中無休)
大阪中之島美術館公式HP https://nakka-art.jp/





