先日発表された新作のiPhone。その「カメラ性能」の高さが注目された一方で、若者の間ではひと昔前のiPhoneやトイカメラで撮る写真が人気を集めているといいます。若い世代の“カメラ事情”について、株式会社タカラトミーのファッションエンターテイメント事業部・中山日菜乃さんに話を聞きました。
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近年、同社がリリースしたデジタルトイカメラFUNSHOTは「レトロな画質を求めている」のだとか。この令和の時代に、なぜこのような選択をしたのでしょうか? これについて中山さんは「近年、若い世代を中心にフィルムカメラや平成レトロなデジカメの再ブームが起きており、『エモい』質感の写真で日常を記録する楽しみ方が広がっています」と回答。

さらに「レトロな画質の写真にはノスタルジーや非日常感があり、現代の高精細なスマホ写真とは異なる“味わい”や“感情”を引き出します。平成レトロブームによるフィルムカメラや『写ルンです』の再ブーム、そしてSNSで共感を得やすい“エモさ”がデジタルネイティブ世代に刺さったのだと思います」と分析。

実際、同社では過去にもカメラ玩具を展開。多くの若者から支持を集めており「アナログならではの撮る楽しさがある」「どんな風に映っているかわからないドキドキ感が良い」などといった声もあるそうです。

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昭和や平成世代にとっては懐かしいものが、令和になって「新しいもの」として流行するのは実に興味深いムーブメントです。調べてみると、カメラの分野以外にも見受けられることかもしれません。

(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年9月30日放送回より



