神戸電子専門学校の学生が「0〜9の中で強いと思う数字」についてアンケートを実施したところ、最も票を集めたのは「7」だった。理由としては「縁起がいいから」「ラッキーセブンだから」といった声が多かったという。しかしながら、なぜ「7」はラッキーと言われているのだろうか。
前出のラッキーセブンという言葉の由来には、野球が深く関わっているという。ニッセイ基礎研究所の中村亮一氏の文献には「1885年9月30日のシカゴ・ホワイトストッキングス(現シカゴ・カブス)の優勝がかかった試合の7回に、ホワイトストッキングスの選手が打ち上げた平凡なフライが強風に吹かれてホームランとなり、これが決め手となって、ホワイトストッキングスは優勝を決めた。勝利投手となったジョン・クラーソンがこの出来事のことを『lucky seventh』と語ったことから、これが『ラッキーセブン』の一般的な用法の語源であると言われている」とある。

人間環境大学・犯罪心理学部の山脇望美准教授に同様の質問をしたところ、やはり7と回答。「数字のカタチが、武器になりそう」と理由を述べた。7のシャープな形状は“攻め”や“決断”をイメージさせ、無意識のうちに「強さ」を感じているのかもしれない。

一方で、中国からの留学生は「9」と答えた。その理由は「九五至上」という言葉にあり、これは「最高の状態」を意味する。古代中国では9が最大の数字とされ、皇帝の権威を象徴する数字でもあった。また、中国・タイ・ベトナムでは永遠を意味する「久(きゅう)」と同じ発音であるため縁起の良い数字なのだ。日本では「苦(く)」を連想させ縁起が悪いとされるため、おもしろい違いと言えるのでは。

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ほかにも「1はナンバーワンだから」「2は偶数でありながら素数という唯一無二の存在だから」といったユニークな回答も見受けられた。いずれにせよ、たった1桁の数字でも人によって感じる“強さ”の理由はさまざまという事が分かった。数字は単なる記号にとどまらず、文化や歴史・心理が深く関わるシンボルなのかもしれない。




