万博イタリア館の至宝彫刻、閉幕後に大阪市立美術館で公開 25日から特別展 引き続き写真撮影もOK | ラジトピ ラジオ関西トピックス

万博イタリア館の至宝彫刻、閉幕後に大阪市立美術館で公開 25日から特別展 引き続き写真撮影もOK

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 閉幕(13日)目前の大阪・関西万博。中でも人気が高いイタリア館で目玉展示として注目されてきた古代彫刻「ファルネーゼのアトラス」が大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開かれる特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」(25日~2026年1月12日)で一般公開される。このたび同美術館などが発表した。万博に続き同展でも写真撮影OKという。

 イタリア館は本物の美術品を観賞できるパビリオンとして大人気。長蛇の列が続き、入館をあきらめざるを得ない人も多かった。

大阪・関西万博イタリア館

「ファルネーゼのアトラス」(2世紀、大理石、高さ193センチ/直径102センチ、ナポリ国立考古博物館)はギリシャ神話の神アトラスを表現した彫刻で、アトラスが肩に抱えた天球儀には、星座や黄道十二宮が精緻に刻まれている。古代からルネサンスに至る西洋美術史の流れを象徴する傑作として名高い。

 特別展には、イタリア館で国外初公開されているピエトロ・ヴァンヌッチ(通称ペルジーノ)の油彩画「正義の旗」(15世紀、ウンブリア国立美術館)も登場。さらに特別展が日本初公開となるレオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティコ手稿」(15世紀、ミラノ・アンブロジアーナ図書館)2点も並ぶ。ペルジーノはラファエロの師で、「正義の旗」は作者の代表作。「アトランティコ手稿」は、数学や天文学、植物学、動物学、土木工学に至るまで深い知識を持っていたダ・ヴィンチの“万能の天才”ぶりを示す貴重な作品群だ。

「ファルネーゼのアトラス」(2世紀、大理石、高さ193センチ/直径102センチ、ナポリ国立考古博物館)

 特別展は日本とイタリアが来年、国交160周年を迎えるのを記念した企画。大阪市立美術館の内藤栄館長によると、今年7月ごろ、イタリア側から話があったといい、「非常にありがたいお話」(同館長)として計画が進み、展覧会が実現したという。

 大阪・関西万博イタリア政府代表のマリオ・ヴァッターニさんは「『アトラス』はナポリのとても有名な博物館の真ん中にある一番大事なエリアのさらに真ん中にある。そのくらい大事で、イタリアの文化を代表する作品」と強調。レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿は、イタリア館でも2枚展示されているが、特別展に出されるのは別の2枚であると説明し、「現地でも通常は公開していない貴重なもの」と明かした。

大阪・関西万博イタリア政府代表のマリオ・ヴァッターニさん=2025年10月10日午後、大阪・関西万博イタリア館
記者発表後の関係者らによる記念撮影(2025年10月10日午後、大阪・関西万博イタリア館)
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