大阪・関西万博(10月13日閉幕)のチェコパビリオンで9日、日本の伝統文化・茶の湯とチェコの伝統産業・ボヘミアンガラスを融合させた「おもてなし茶会」が開かれた。


茶道表千家・前田一成教授の解説で、この日は4回に分けて約300人(見学者含む)が一服のお茶を通じて特別な時間を過ごした。


前田さんは茶道の魅力を広げようと、千利休にゆかりの深い「さかい利晶の杜」(大阪府堺市)でお点前を受け持っている。
茶会は立礼(りゅうれい)の様式で、亭主(お茶を点てる側)と客(お茶を飲む側)の双方が椅子に座り、点茶盤(テーブル)を使って茶を点てた。
また茶器はお椀型のボヘミアンガラスを使い、チェコパビリオンにちなんだ和菓子を添えた。


和菓子は2種類。チェコパビリオンのマスコット『レネ』の瞳と、チェコの国章・貨幣などにも描かれ、チェコパビリオンのロゴにも用いられるハート型の『リンデンの葉(西洋菩提樹)』を型どった。
1970年大阪万博、1990年大阪花博、そして大阪・関西万博で茶を点てた前田さんは、時代によって参加した人々の反応の違いに気づく。
「70年は高度経済成長期。あの頃はすべてが新鮮。言葉では“茶の湯”を知っていても、実体験はなかった。90年は無反応。バブル経済期で余暇の楽しみや、贅沢さを求めていたからかも知れない。
そして2025年の大阪・関西万博。多くのインバウンド(訪日外国人)が関西に来られ、日本の伝統文化に驚きと興味を持っていただけたという。
今回の万博では、迎賓館で海外各国の要人に茶をもてなした前田さん。「皆さん、日本人以上に茶の知識がある」と話す。






