ビニールハウスで落語会も経験の桂ぎん次郎 今月19日には出石永楽館で『生誕40年記念落語会』 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ビニールハウスで落語会も経験の桂ぎん次郎 今月19日には出石永楽館で『生誕40年記念落語会』

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 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、落語家の桂ぎん次郎さんが出演。大阪と兵庫・豊岡市の2拠点で活動するようになった経緯と醍醐味について語った。

落語家の桂ぎん次郎さん(写真中央)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同左)、田名部真理(同右)

 大阪府出身のぎん次郎さんが豊岡市に移住したきっかけは意外なものだった。師匠にあたる桂きん太郎さんが同市のまちづくりコンサルタントをしていた縁から、2021年に地域おこし協力隊として豊岡市に移住。34歳での決断だった。

「カバンストリートにある『カバンの自動販売機』を考えたのが、うちの師匠なんです。手伝いに行って、地元の方から『地域おこし協力隊という制度がある』といわれたときに、師匠が『若い奴ならこいつがおります!』って」(ぎん次郎さん)

 当初は、「借りてきた猫のように生きる」と自称していたほど、明確な地域振興への意気込みはなかったという。

 その後、観光協会が受け入れ団体となり、3年間にわたって市街地を中心とした観光情報をSNSで発信。そのうちにイベント司会などで声がかかるようになり、協力隊としての活動を通じて豊岡との深いつながりを築いていった。

 任期満了を迎えたときには、豊岡に残ることを決意。高速道路の延伸にも助けられ、大阪との往来も容易となり、現在は大阪と豊岡の2拠点生活を実現している。「落語家として活動するなら大阪とアドバイスを受けることもあったが、決断の理由をこう明かした。

「僕は、豊岡でしかできないことがあると思っていて。関西の上方落語家は、270人もいるんですよ。でも、豊岡のプロ落語家はいまのところ僕ひとり(笑)。市長選挙の討論会司会させてもらったり、農家のビニールハウスで落語をしたり。ビニールハウスで落語をしたのは4月のことでしたが、室温34度越えでお客さんとも我慢比べですよ。こんな、大阪では考えられない挑戦をさせてもらえる。こういう話のネタを拾って、豊岡の魅力を発信するのもおもしろいと思うんです」(ぎん次郎さん)

ビニールハウス落語の様子

 いまでは、まちで「ぎんちゃん」と声をかけられる人気者のぎん次郎さん。今月19日(日)には、映画『国宝』のロケ地となった出石永楽館で、生誕40年の落語公演を開催する。

 同公演は、昨年の公演が好評だったために実施を決意。豊岡市出身の芸人・ユリオカ超特Qさんや、先輩にあたる月亭文都さん、桂三河さんらとともに多彩な演目を用意している。

「昨年なんか、1枚1000円のチケットを売るのに、居酒屋に行って4000円使うて。もう、赤字やないですか(笑)。1回きりやと思ってたんですが、お客さんの『来年も!』という声に応えての開催です。オリザさんが学長をつとめる芸術文化観光専門職大学の学生コンビ・ふじながおぐらも出ますよ。チケットは、今年もまだまだ売るほどあります(笑)!」(ぎん次郎さん)

昨年の永楽館落語の様子
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