「1日6杯以上」「豆貯金」…独特すぎる“北欧コーヒー文化” フィンランドでは雇用契約書にも記載が

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 定期的に発表される「世界のコーヒ消費量ランキング」を知っていますか? コーヒーと聞くと南米や欧米の国々をイメージしがちですが、じつは北欧諸国が上位にランクインすることが多いのです。なかでもフィンランドでは社会的にもコーヒーが重要視されているとか。そこで“北欧のコーヒー事情”を全日本コーヒー協会(東京都港区)に聞いてみました。

北欧諸国でコーヒーは無くてはならないもの?(イメージ)

☆☆☆☆

 冬が長い北欧では室内で快適な時間を過ごすため、インテリアにこだわりコーヒーやケーキで来客をもてなす習慣ができたとされているそう。

寒さが厳しい地域だからこそ「コーヒーをゆっくりと楽しむ文化」が形成されたという(イメージ)

【デンマーク】

 世界でもトップクラスにコーヒー消費量が高い。朝目覚めてから夕食後まで1日あたり「コーヒーを6杯以上」飲む人がコーヒー消費者全体のうち34%を占めるという統計も出ている。

【スウェーデン】

 家族・友達とコーヒーを飲みながらゆっくりする時間を「フィーカ」と呼び、大切にされている。シナモンロールやラズベリージャムを使うクッキー「ハロングロットル」、見た目がシュークリームに似た「セムラ」など、スイーツとコーヒーを楽しむ時間が日常的に取り入れられている。

【フィンランド】

 国民1人あたりのコーヒー年間消費量は世界第1位。国内の多くの企業では午前・午後の「コーヒーブレイク取得権利」が雇用契約で保証されているという。また、職場の従業員たちが少しずつお金を出し合い、コーヒー豆の購入などにあてる「コーヒーバンク」なる制度があるのも特徴。コーヒーマシンのある部屋に自然と人々が集う風景はもはや“フィンランドあるある”。

フィンランドでは職場でもコーヒーを飲む時間が重んじられている(イメージ)

「フィンランドにコーヒーが広まったのは18世紀初頭の頃。この頃、コーヒーは薬局で販売されており、『コーヒーを飲めば頭痛や心臓病・うつ病にも効く』と噂されていたそうです。そして100年ほど前に『禁酒法』が施行されると、アルコールの代わりにコーヒーが提供されるようになります。そこから当初は薬のように扱われていたコーヒーが、現在のように嗜好品として愛されるようになりました」(全日本コーヒー協会HPより)

 禁酒法が施行される以前の名残りもあってか、今でもコーヒーを薬のような存在として頼る人も少なくないそうです。少し頭痛がしたらコーヒーを1杯飲んで頭をスッキリさせる……というルーティンが、フィンランド流のモチベーション維持方法なのかもしれません。

(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】全日本コーヒー協会
HP
公式Instagram

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