兵庫県の海の現状を知って、環境について学んでもらおうと、姫路市家島町の播磨灘・坊勢島で25日、子どもたちを対象とした海の環境学習イベントが行われました。
県内の15歳以下の子どもたち18人とその保護者を含めた総勢41人が参加した今回のイベント。まず、妻鹿漁港の坊勢漁協直売所「姫路まえどれ市場」で、魚の種類や漁獲量の減少など、海が抱える問題について学び、子どもたちはいざ、船に乗り込みます。
坊勢島近海では、底引き網漁を見学。メゴチ、コウイカ、シタビラメ、ガンゾウビラメ、シラサエビ、アシアカエビ、シャコ……それら新鮮な海の幸を目の当たりにし、子どもたちも歓声を上げる一幕も。
船上では、とれた魚を種類ごとに分類する作業を体験。「網にかかった魚の分別が楽しかった。思ったより魚が少なかった」「底引き網の中にこんなにゴミがあるとは思いませんでした」と話す子どももいました。




坊勢島に入ると、海岸では、ペットボトルや空き缶、菓子袋、大きなオイル缶までさまざまなゴミを拾う清掃活動を実施。15分ほどでゴミ袋がいっぱいになった様子に、子どもたちからは「プラスチックのゴミ多すぎ!」と率直な感想も聞かれました。


さらに、島内では、ヒラメ、オニオコゼ、アシアカエビなどの稚魚を成育している「幼稚仔育成施設」を見学。ヒラメの放流体験では、「魚を海に逃がすのが楽しかった。『ヒラちゃん』と名前を付けました」と話す子もいました。

今回の体験を通し、子どもたちは兵庫の海の現状を学んだ様子。イベントを企画した大手飲料メーカー・伊藤園の兵庫地区営業部長・渡辺和夫さんは「海はきれいなだけでは魚は戻りません。プランクトンなど生態系のバランスを考え、ひょうごの海を守る活動を今後も続けていきます」と語りました。
(取材・文:藤原正美)




