劇作家・平田オリザに影響受けた作家 新作『但馬国ファスト風土記』が紡ぐ地域の物語 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

劇作家・平田オリザに影響受けた作家 新作『但馬国ファスト風土記』が紡ぐ地域の物語  

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 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、劇作家・演出家の土橋淳志さんが出演。これまでの経歴や、今月、豊岡市民プラザ(兵庫県)で上演される予定の書き下ろし作品について語った。

劇作家・演出家の土橋淳志さん(写真中央)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同右)、田名部真理(同左)

 土橋さんは、関西を代表する劇作家のひとり。経済学部出身でありながら、演劇の世界に身を投じた独自のキャリアを持つ。大学は演劇専攻ではなかったが、「演劇部の友人に連れられて太田省吾さんや竹内銃一郎さんの授業を勝手に聴講していた」という。

 1997年に平田さんの『新版・小町風伝』に衝撃を受け、本格的に演劇の道を歩むことを決意。在学中に、劇団『A級MissingLink』を結成した。

「平田さんの影響を強く受けた世代」だという、土橋さん。スタジオでは、平田さんの最初の演劇論集『平田オリザの仕事:現代口語演劇のために』をカバンから取り出し、平田さんからもらったサインを見せながら語った。

「当時、僕が演劇部に入ったころは客席に向かって熱く語る芝居が主流でしたが、なにかが違うなと。そんなときにアトリエ劇研で『ソウル市民』を拝見して、めちゃくちゃおもしろくて。そのときにいただいたサインなんです。だから僕は、2作品目から作風がガラリと変わってしまったんですよ(笑)。僕はこのスタイルを貫きたいなと思いました」(土橋さん)

 2002年、若手演出家コンクール最優秀賞を受賞。2014年には、6年連続最終ノミネートを経て、第21回OMS戯曲賞大賞を受賞した。

 OMS戯曲賞については、平田さんからこんなエピソードが飛び出した。

「大阪大学で教べんをとっていたころに、『これで(関西在住劇作家が応募できる)OMS戯曲賞に応募できるよね?』と言ったら、(劇作家の)土田(英生)くんに、『そんな子どもっぽいことはやめてください』と止められた。それ以来応募していないけれど、いまは豊岡在住だから、ペンネームでひそかに応募しようかな」(平田さん)

 今回、土橋さんが手がけた新作『但馬国ファスト風土記』は、豊岡市民プラザが主催する「地域と創る演劇 豊岡ここものがたりプロジェクト」によるもの。

 豊岡市にある架空のバス会社を舞台に、観光と地域の関係性を描く。

『但馬国ファスト風土記』
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