184日間にわたって開催された大阪・関西万博。世界各国から集まった企業・団体のパビリオンに多くの人が訪れ、連日話題となりました。その中のひとつ「大阪ヘルスケアパビリオン」では、カプセルに入るだけで入浴が可能になる「ミライ人間洗濯機」が展示され人々の注目を集めたのですが、なんとこれが一般販売されることになったと聞きつけた筆者。同製品を開発した株式会社サイエンス(大阪市西淀川区)の企画広報部・前倉祐子さんに話を聞きました。

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「カラダもココロも自動で洗われる時代へ」をコンセプトとしたカプセル型の同製品は、体を洗う機能だけでなく“ココロも洗う”という付加価値に着目し、約6年かけて研究し開発した機能を搭載しているのだとか。しかしながら、完成当初は販売する予定はなかったといいます。
「万博会場で展示する製品は現実的に設置のハードルが高いと考えていたこと、そして、そもそもカプセル型に需要があると思っていませんでした。この先、現代日本の家屋に合わせた『社会実装版・ミライ人間洗濯機』を発売する方向に舵を切る予定はしておりましたが……」と前倉さん。ところが万博開幕の翌日、思いがけないことが起きます。
「『展示しているそのまま(カプセル型)のミライ人間洗濯機が欲しい』という、アメリカの企業の担当者が万博会場に来られたのです。その翌日には本社ショールームを見学したいとお申し出を受けました」(前倉さん)
この一件を皮切りに、同製品について「今後販売予定がないのか」「いくらなのか」「個人でも買えるのか」「施設に導入したい」などの問い合わせが殺到。こうした背景のもと、カプセル型は一般販売に至ったのです。

ちなみに、大阪・関西万博にて「同製品を体験できる」として希望者を募ったところ、約4万8000件の応募が。「人前で水着になる必要があったので、どれだけの人が応募してくれるのか不安でした。会期中は1000人に体験してもらうことを目標に掲げておりましたので『目標が未達だったらどうしようか』『水着になる事に抵抗感を持たれるのでは』など不安要素だらけでした。ですが蓋を開けてみると、とんでもない応募者の数に我々が驚きました」と、前倉さんは想像以上の反響をふり返ります。
最後に“日本の浴室の未来”について意気込みを聞くと、「家庭や高齢者施設・医療施設での介護現場で苦労することのひとつに入浴介助が挙げられます。介護する側・される側の両者にとって、お風呂が『億劫な時間』ではなく『楽しみな時間』となることを目指しています」と語り前倉さんはインタビューを締めくくりました。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年11月11日放送回より




