神戸・北野の異人館「うろこの家」で19日、年末の風物詩「世相サンタクロース」が公開された。1年を振り返っての話題やできごとをサンタクロースの人形で表す毎年恒例のイベントで、今年のサンタは「大阪・関西万博」がテーマに。展示は12月25日(木)まで。
同日午前、屋根の上のカバーが外されると、万博の大人気キャラクターをモチーフにした高さ約3メートルのサンタが登場。キャラクターと同じ赤と青の配色だが、色の位置は異なり、ボディーが赤色、顔回りが青色だ。人気のドーナツを思わせる青い輪の中で、白ひげのサンタが愛嬌のある表情を浮かべている。


サンタの頭上には、万博の大屋根リングを思わせる飾りを設置。左手に“早苗バッグ”を持ち、右手を高く挙げた高市早苗首相、米俵を担ぐ小泉前農水大臣、赤ちゃんを抱く大谷翔平選手、活躍が注目された山本由伸投手、佐々木朗希投手らがリング上にお目見えした。
さらに橫の窓から飛び出した人形たちは、印象深い「数字」を特集。25%と15%は米国大統領の関税政策を示し、19.2秒は一時話題をさらった“チラ見せ証書”を表現。103万は多くの家庭を悩ませる「年収の壁」、4316円は11月に記録したお米5kgの平均価格の最高値。さらに、7月に兵庫県丹波市で観測史上最高の41.2度を更新した酷暑、そして6月に逝去した“ミスターG”長嶋茂雄さんを象徴する「3」も入っている。


関係者によると、今年のサンタのテーマについては8月ごろから協議を重ね、最終的に満場一致で「大阪・関西万博」に決まったという。人形は発泡スチロール製で、水溶性の耐水絵具で彩色。京都の職人が10月初旬から制作、完成させた。
公開された直後、友人とともに訪れた千葉市の大学生、鳴坂花菜さん(22)は「坂を上がっていたら、屋根の上に高市さんがいるのが見えた」と笑顔。万博について「あらためて大きいイベントだったと感じている。私は行かなかったが行けば良かったとちょっと後悔した」と話した。うろこの家の広報担当、﨑原朝香さんは「世相サンタを見て、こんなこともあんなこともあったと振り返ってほしい。来年も皆さんにとって良い1年になるよう祈りたい」と語った。




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