緑豊かな兵庫県宍粟市。最近、このまちで作られた“紙の甲冑”が話題になっています。丈夫なうえに、なんと着たまま走ることができるほど軽いのだとか。甲冑を制作するのは『宍粟山崎手作り甲冑の会』のメンバーだといいます。同会会員でありデザインと印刷を行う「萬まる堂」(兵庫県宍粟市)の代表・木南めぐみさんとチーフデザイナー・木南正清さんに話を聞きました。

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同社は551社の企業が出展する西日本最大級の総合展示会「国際フロンティア産業メッセ2025」で優れたブースに贈られるベスト展示賞最優秀賞を受賞しました。その際に紙の甲冑も展示していたそう。
「ブースを訪れた人からは『お金を出してでも欲しい』といった声も上がるなど、かなり反響がありました」(めぐみさん)
木南さん自身も紙でできた甲冑の魅力に取り憑かれた一人だそうで、「弊社の創業前から紙で甲冑を作っていた『宍粟山崎手作り甲冑の会』の代表と出会い、紙甲冑の材料を購入いただいた事がきっかけで甲冑行列に参加するようになりました。そして、甲冑の魅力に感動したことから同会に入会して、丁寧に教えていただきながら趣味で甲冑を作っています」と明かします。
本物と見間違えるほどクオリティの高い一方、「製作するのはかなりの難易度」と話す正清さん。
「普段の仕事をしながらですと、甲冑を一つ作るのに半年から一年かかります。一般販売はしていないため、欲しい方は『宍粟山崎手作り甲冑の会』に入会し、自分で作っていただく必要があります」(正清さん)

「紙甲冑はまだ趣味の延長。今後は私たちの持つ技術をいかしてもう少し簡単に作れるようにしたいです。本業はデザイン印刷業なので、変わらずお客様が“まーるい笑顔”になっていただけるものをコツコツと作っていきたいですし、これからも皆さんと楽しいことを続けていきたいです」とめぐみさんは話り、インタビューを締めくくりました。

(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年11月19日放送回より





