神戸で大正期に創業し、創業から100年を超えた老舗の焙煎所が、伝統を重んじながら、時代に即した取り組みを行っている。
エキストラ珈琲(神戸市兵庫区)は1923(大正12)年、珈琲と紅茶の専門卸として開業。生豆の状態で仕入れ、焙煎して卸売りをするというロースターを神戸で初めて手がけたという。現在は、同社専務取締役の浜田裕仁さんが三代目焙煎士として店に立つ。
焙煎方法は創業者(浜田さんの祖父)の時代から受け継がれているものだが、近年はすっきりした味わいを求める傾向があり、こうした需要に合わせたブレンドにも取り組んでいる。また、「ダッチコーヒー」と呼ばれてきた水出しコーヒーも、強みの1つ。浜田さんいわく、これをホットにするとコクが出るそう。
一方で、同社はカフェもプロデュース。同じ兵庫区の兵庫津ミュージアムにある「ミュージアムカフェ」は、2021(令和3)年、初代県庁館の取次役所内に整備され、来館者が休憩できるスペースとして利用されている。畳の部屋や縁側が設けられ、庭の木々を眺めながら過ごす人の姿がみられる。
このカフェでは、抹茶茶碗に牛乳を入れて泡立て、その中に珈琲や紅茶を注ぐ「珈琲膳」「紅茶膳」を提供。来館者が自ら作業する形式で、SNSを通じて広く知られるようになったという。
神戸で長く親しまれてきた焙煎の味が、世代を超えて受け継がれている。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より





