「家の玄関では靴を脱ぐ」「食事の前には『いただきます』と言う」など、我々日本人にとって息をするのと同じくらい当たり前の習慣。そうした国独自の習慣は世界に存在し、インド洋に浮かぶ島国・スリランカでも独特の習慣があるとか。詳しい話を「株式会社JJS」(所在地:東京都板橋区)の担当者に聞きました。
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「僧侶を大切に扱う」という文化が根付いている同国。なんと、バスや電車には“僧侶専用優先席”があるといいます。担当者によると「優先席と言っても、僧侶だけでなく高齢者や妊婦も対象です。とはいえ、空いていれば誰でも座ってOK。ちなみに優先席がない場合、僧侶・高齢者・妊婦には席を譲るというのが暗黙のルールです」(担当者)

国民の約7割が仏教徒であり、国内には「仏歯寺」「ガンガラーマ寺院」など数々の有名寺院があるスリランカ。なかでも「聖地キャンディ」「ダンブッラ石窟寺院」は世界遺産登録され、世界各地から仏教徒が巡礼に訪れます。そのため仏教に身を投じる僧侶は尊敬の対象であり、その敬意が「優先席」という形でも表れているようです。

寺院を訪れる際にもいくつかマナーが存在しており、「ブッダ像に背中を向けて立ってはいけない」「帽子と靴は脱ぐ」「白い服を着なければならない」などがあります。うっかり破ってしまった場合、どうなるのでしょうか?
「強制的なルールや法律ではないため罰金などはありませんが、周りから叱られることはありえます。スリランカにおいて仏教、ひいては僧侶は『良い社会』を築くために欠かせない存在だと考えられており、敬意に欠ける行為はタブーなのです」(担当者)
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ほとんどの観光客や外国人はルールを守るそうですが、残念ながら一部には守らない人もいるとか。海外に出向く際は、その国が大切にしている文化を尊重したいものです。
(取材・文=つちだ四郎)





