同作は、青年海外協力隊の訓練所が舞台だ。国際協力事業団(JICA)からの派遣を待つ候補生たちが、日々の訓練に励んでいるのだが、彼ら彼女らは、財政破綻した日本からの最後の協力隊員だった……。
JICAの諮問委員を務めたことがある、平田さん。訓練所やモロッコなどに視察に訪れた経験が落とし込まれている。
世界中に自国中心主義の風潮が広がるなか、“人を助けること”の本質を問う作品だ。
髙木さんは米農家を営む訓練生を、斎藤さんはかつてマンガ隊員として派遣された訓練所員を演じる。
じつは、自身の実家も米農家だという髙木さん。作中では、コメ問題について語る重要な役割を担っている。
平田さんは、「20年前に書いたときにも近いセリフはあったが、稽古中に偶然、令和の米騒動が起きて“リアル”になった。あまりにそのままだったから、書きかえざるを得なくなったんです。髙木さんには、そんな大事なシーンを演じてもらう」と期待。
髙木さんは、米農家の役を演じながら、家族の農業の現状と重ね合わせているという。
「実家も来年から畑をたたむらしく、悲しい気持ちで演じています」と話すとおり、くしくも、演劇が個人の経験と社会課題をつなぐ媒介となっているようだ。
齋藤さんについては、「観客から『どこから連れてきたんだ』と思ってもらえる“隠し球”のひとりです」と太鼓判をおす、平田さん。
齋藤さんは、演劇経験のなさを逆手に取って新鮮な視点で役に取り組んでいるそうで、以下のように語った。
「台本をもらった瞬間から、そのシーンでの自分の立ち位置を考え続けています。最初は緊張しましたが、いまでは楽しめています」(齋藤さん)





