地域とともに迎える新年 『煤払い』『注連縄(しめなわ)の張り替え』 地元神社で続く年末のならわし

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 12月後半になると、境内には「正月提灯」が掲げられます。これは、姫路市内を中心とした企業や個人から奉納されたもので、その数はおよそ2000灯。クリスマスごろから2月19日の厄神祭まで、約2か月にわたり灯され続けます。

明るく灯る「正月提灯」 提供:播磨国総社射楯兵主神社 
明るく灯る「正月提灯」(提供:播磨国総社射楯兵主神社)

 ひとつひとつに込められた願いや思いが夜の境内を照らし、冬の静かな空気のなかで、あたたかな光の道が生まれます。

 全国各地で新年の準備が動き出すこの時期。播磨国総社射楯兵主神社で行われる煤払いや注連縄の張り替え、そして正月提灯も、地域の人々とともにつむがれる“年の瀬の営み”です。

 大掃除をしながら一年を振り返るように、神社でも、古くから続く所作を通じて新しい年を迎える準備が進められます。そこには、地域の人々が神社とともに年を重ねてきた、日本の暮らしの姿が息づいています。

 年末の慌ただしさのなかで、ふとこうした伝統行事を思い起こすと、「新しい一年を迎える」という気持ちが少しだけ深まる――。そんな静かな文化を感じさせてくれる季節です。

(取材・文=洲崎春花)

※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2025年12月7日放送分より

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