忘年会シーズン、お酒を飲む機会が増えますよね。宴会会場にマイカーで向かう人も多いとは思いますが、飲酒後の帰宅手段が問題です。それを解決するのが「運転代行」。飲酒運転の取り締まりが厳しくなってからというもの、さかんに活用されているイメージです。さて、こうした「代行」が近頃さまざまなジャンルで広がりを見せているといいます。

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株式会社クライアントパートナーズ代表取締役・金澤瑠璃さんによると、ここ数年で代行サービスは多岐にわたっており、仕事を辞める時に利用する「退職代行」のほか「買い物代行」「結婚式出席者代行」「墓参り代行」など実にさまざまな種類が存在します。
金澤さんの話を聞く中で筆者が注目したのが「OKおばあちゃん」なるサービス。これは60歳以上の女性が暮らしの中で必要な手伝いや話し相手、外出の付き添いなどを代行してくれるというもの。このようなサービスが生まれたきっかけについて、金澤さんは“新しい視点”によるものだと分析。「高齢化を『問題』として捉えるのではなく、『経験豊かな人がたくさんいる素晴らしい社会』とする発想の転換である」と解説しました。

「年齢を重ねるほど『誰かの役に立ちたい』『まだ社会とつながっていたい』という思いを募らせている女性達は多いようです。そうした方々が活躍できる場のひとつになるのでは」と金澤さん。調べてみると、登録しているスタッフは約100名ほど。最高齢は94歳で、もと筆耕士。そのためかなりの達筆で、礼状代筆などで自身のスキルをフルに活かしているのだそう。

利用者は老若男女問わず幅広く、比較的若い層は悩み相談・家事・育児サポートとして、年配層だと遺品整理の手伝い・話し相手といった目的で活用しているのだとか。

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「人生100年時代」と言われるこの時代、シニアが意欲的に活躍できるステージにもなりうる代行サービス業。利用者はもとより、働き手にとってもメリットがあるからこそ、いま注目される業界のようです。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年12月9日放送回より





