プロバスケットボールリーグ・Bリーグ2部(B2)の神戸ストークスは、10日のホームゲームで鹿児島レブナイズに勝利し、レギュラーシーズン60試合の約3分の1を終えた段階で早くも20勝目を達成した。B2西地区で首位を快走している港町のチームは、鹿児島戦では平日にもかかわらずホームのジーライオンアリーナ神戸に6千人以上の観衆を集め、ファン・ブースターとともに勝利の喜びを分かち合った。
ストークスが今シーズンに喫したのは2敗のみ。そのうちの1つが、10月15日の第3節、アウェイで鹿児島に敗れたときのものだった。「前回負けている相手であり、今回、同じチームに2回負けるのは許されない」(川辺泰三ヘッドコーチ)と、リベンジを誓って臨んだ一戦で、ストークスはホームの声援を力に奮闘する。
前半から第3クオーター途中までは、木村圭吾選手が24得点を記録し、チームを牽引する。その木村選手が途中、負傷により交代を余儀なくされるも、拮抗した展開の中、勝負どころの第4クオーターで笹倉怜寿選手が2連続でスリーポイントを決めるなど、出場選手が次々と活躍。最後はチームの主力であるヨーリ・チャイルズ選手のダンクシュートでとどめを刺し、92-85と勝利して、前回のリベンジを果たした。

試合後、「こういうタイトなスケジュールで、チームの層が厚くなってきたり、やるべきことをできる時間が増えてきたりするのは本当によかったこと。選手たちとファンの皆さんのおかげで勝てた試合」と述べた、川辺HC。勝因については、前回対戦の教訓をいかしたこと、特に鹿児島の主軸、アンソニー・ゲインズ・ジュニア選手を一番大事な時間帯で封じたことを挙げた。
この試合の殊勲選手の1人、笹倉選手は第4クオーターの得点シーンについて、「変な意識なく、いつも通りコートに入った。(マークが)あいたら思い切り打とうと思っていた。思いきりのよさが2本出て、いいところで決めることができた」とコメント。「僕の得点より、チーム一人ひとりが積み重ねた結果で勝てた。最後の(大事なところでの)2、3本(のシュート)が僕と(八村)阿蓮だっただけ。チームの得点だった」と、チーム一体となった勝利を強調した。

また、攻守に活躍したラウル・アルキンズ選手は「本当にタフな試合で、レギュラーシーズンだがプレーオフゲームのようだった。試合は最後の2分までわからなかった。鹿児島は本当にいいチーム」と相手をリスペクトしたうえで、「一人ひとりが自分の仕事をやってステップアップしてくれたおかげでこういった試合を勝ち切れた」と、笹倉選手と同じくチームを讃えた。

今春に誕生した新ホーム、ジーライオンアリーナ神戸では、今シーズンに入って9勝負けなし。この日は平日の試合にもかかわらず6410人の観衆が集った。「たくさんの人に応援されている、地域に支えられているなか、へたにホームで負けられない、変なプレーはできない、絶対に大きい点差で負けたくないという思いが、ホームでは僕たちのなかでやっぱり大きくなる」と、川辺HC。「ホームで応援してもらうのはすごく力になる。6000人以上入っていただいて本当にうれしい限り。その前でしっかり勝ててよかった」と、ファン・ブースターに改めて感謝した。
なお、この日、BリーグはB1、B2あわせて20試合が行われていたが、B2では最多、B1をあわせても千葉ジェッツ(1万139人)、アルバルク東京(8539人)、琉球ゴールデンキングス(8504人)に次いで4番目の観客数を記録している。
ストークスは14日(日)と15日(月)、再びホームゲームに臨む。第13節のベルテックス静岡戦に向けて、「すぐ試合があるので、いまからいい準備をしたい」と、川辺HCは気を引き締めていた。








