モノの見方がひっくり返る! 大阪中之島美術館「拡大するシュルレアリスム」展 国内所蔵の優品ずらり

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 第3章「写真」では、マン・レイを筆頭に各国の芸術家による写真作品を紹介。第4章「広告」からは、芸術の領域外へと展開したシュルレアリスムをたどる。「広告」では、デペイズマン(異なった環境に置き、違和感を生じさせること)やコラージュなど多様な技法を駆使した、今見ても魅力的なポスターが並ぶ。

 目玉の1つは、第5章「ファッション」で展開する、イタリアのデザイナー、エルザ・スキャパレッリによる衣装やジュエリー、香水瓶など。シュルレアリストたちのインスピレーションの源となっていたアイテムが、開放的な展示空間にきらびやかに点在している。締めくくりの第6章「インテリア」は、インテリアとオブジェの境界線はどこなのか、鑑賞者に問うてくるラインアップ。メレット・オッペンハイム「鳥の足のテーブル」(1939/1983年)が特に目を引く。

第5章「ファッション」では、エルザ・スキャパレッリが手がけたドレスやジュエリーなどを展示

メレット・オッペンハイム 《鳥の足のテーブル》 1939/1983年 岡崎市美術博物館

 展示を担当した國井綾学芸員は「本展ではシュルレアリスムの理論的な部分のみを深掘りしていくのではなく、どのように社会に普遍していったのか視覚化することを目指した。第4~6章で社会あるいは日常へと展開していったそのありようを見て、作品が持つ力を実感してほしい」と話した。会期は2026年3月8日(日)まで。

◆「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」
会場 大阪中之島美術館 4階展示室(〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-1)
会期 2025年12月13日(土)~2026年3月8日(日) ※前期は1月25日(日)まで。後期は1月27日(火)から。前後期で一部展示品の入れ替えあり
休館日 月曜日と12月30日(火)~1月1日(木・祝)、1月13日(火)、2月24日(火)
※1月12日(月・祝)と2月23日(月・祝)は開館
開場時間 10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料(税込) 一般1800円、高大生1500円、小中生500円
問い合わせ 大阪市総合コールセンター 06-4301-7285(8:00~21:00 ※年中無休)

大阪中之島美術館公式HP
https://nakka-art.jp/

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