リモートワークやライフスタイルの多様化が進む中、ガレージハウスの人気が高まっている。神戸市内で、鉄道の高架下を活用した賃貸ガレージハウスの建設が進められている。
ガレージハウスを整備するのは、阪神電気鉄道(本社・大阪市福島区)と阪急阪神不動産(本社・大阪市北区)で、阪神電車の青木(おおぎ)駅~魚崎駅間(約1.2km)の高架下空間(東灘高架下)を活用する。
内外装に鉄骨フレームを露出させたシャープなデザインが特徴の建築ブランド「DAYTONA HOUSE × LDK」を手掛ける株式会社LDKとの共同企画で、1階はガレージ空間、2階は居住空間の軽量鉄骨造2階建のメゾネット型。阪急阪神不動産が整備する初めてのガレージハウスで、LDKとしても神戸市内で手掛ける初の賃貸ガレージハウスとなる。
総戸数は4棟7戸。1台分の駐車スペースを持つタイプA(約67平方メートル)が6戸、2台分の駐車スペースを持つタイプB(約136平方メートル)が1戸で、ユニットバス、トイレ、ミニキッチンなどを備える。2026年5月に竣工予定で、家賃は月24~48万円。
阪急阪神不動産の広報担当者は「駅に近い場所だと商業施設という選択肢があるが、駅と駅の間だとどのようなものがいいのか、沿線に住む人に喜んでもらえるのは何かを考えた時に、ガレージハウスがいいのではないかと考えた」と話す。駅と駅の間とはいえ、青木駅までは徒歩6分、阪神高速3号神戸線の魚崎出入口まで車で3分と利便性はいい。
担当者は、「時代とともにライフスタイルは変化している。大人になれば趣味に没頭できる空間が欲しくなったりする。使い道を提示・限定するのではなく、好きなように、秘密基地のように使っていただければ」と期待する。楽器の練習をするスタジオや、オフィスとして使ったり、もちろん住居としてもよい。
高架下ということで、気になるのは電車の音。「鉄道の高架とガレージハウスは切り離されている。少しの共振はあるかと思うが、この区間は直線区間なので、それほど大きくはないのではないか」と担当者。
整備を進める阪神電車と阪急阪神不動産は、地域の魅力向上につなげたいとしている。所在地は神戸市東灘区魚崎中町2丁目。入居者の募集は始まっており、すでに問い合わせが寄せられているという。




