創業100周年を迎えたアース製薬株式会社(本社:東京都千代田区)の代表取締役社長・川端克宜氏が、同社の経営哲学や組織づくりについて語りました。

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同社が注目を集めたのは、“殺虫剤”という従来のカテゴリー名に変わる新名称として「虫ケア用品」というワードを打ち出したことでした。きっかけは、川端氏が抱いた素朴な違和感にあります。
「人の命を守るための製品なのに『殺す』という言葉が入っていることに納得がいかなくて。そこで『常識と言われることを変えていこう。一気には変わらないかもしれないけど挑戦しよう』と一念発起したのです」(川端氏)
「虫から人をケアする」という意味を込め、より一般消費者に受け入れられる表現を模索したといいます。トップ自らが“常識を疑う姿勢”を示すことで、社員が挑戦しやすい環境づくりにつとめているのだとか。

川端氏が経営で大切にしていることを聞くと、「自分で考えて動くこと。組織ですから経営方針や経営理念はあります。ですが『そこから1ミリもズレたらあかん』というのではなく、まずはやってみたらいいんです。失敗してもかまいません」と熱弁。そのうえで“楽しむ姿勢”を持つことの重要性を強調し、誰もが挑戦しやすい社風となることを目指しているといいます。
同席した同社常務執行役員の貴島浩史氏は、川端氏について次のように述べます。「一人ひとりをしっかり見てくれているなと。仕事じゃない話もするから、楽しい。そうした社長のスタンスが理解されているからこそ、社員から『アースにいると楽しい』という思いを感じる」。

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「最終的には人間力で動かす会社でありたい」と川端氏。現在の主力事業は虫ケア用品や薬剤ではあるものの、思いを持って働いている社員が一丸となり新規事業を立ち上げ動かしていくのは“大いに良し”と考えているそう。「無理にコア事業をやめてしまうという……という話ではありません。ですが、社会の変化に対応しながら“真っ当”な企業であり続けるというのが我々の最終目的ですから」とその理由を示し、川端氏はインタビューを締めくくりました。
※ラジオ関西『ハートフルサポーター』2025年11月17日、24日放送回より





