J1神戸の主将・山川哲史 クラブ史たどるイベントでアジア制覇誓う「歴史を積み重ねていきたい」

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 サッカー・J1、ヴィッセル神戸DF山川哲史選手が、24日に神戸市内で行われたクラブ創設30周年関連イベントに登場し、育成年代から過ごしてきた愛着あるクラブへの思いを語るとともに、今シーズンの振り返り、来季への意気込みなどを明かした。

ヴィッセル神戸DF山川哲史選手 (C) VISSEL KOBE

 同日から神戸・三宮センター街で始まったヴィッセルのクラブ創設30周年を振り返るRPG型リアルイベント「VISSEL QUEST」を体験した、山川選手。1995年の創設から現在までの出来事をRPGのマスになぞらえた展示を前に、「自分が生まれる前の時代も含めて、改めてヴィッセルの歴史を知ることができた」と語り、足を止めながら一つひとつを確認していた。

(C) VISSEL KOBE

 印象に残った出来事として挙げたのは、自身が筑波大学の学生時代の2017年。ヴィッセルトップチームの練習に参加した際、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ選手(現、グールニク・ザブジェ / ポーランド)の世界トップレベルの実力に衝撃を受けたという。

 また、世界的スーパースターで、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタさんがヴィッセルで見せたゴールを目の当たりにしたときは、レジェンドだと感じたそう。

 クラブ史に刻まれた大きな転機は、自らもクリムゾンレッドの一員として関わった、2023年のJ1初優勝だ。全長2.4メートルの優勝記念ロゴを見つめながら、「歴史が動いた瞬間。優勝が決まったときの景色は、今でも鮮明に覚えています」と表情を緩めた。翌2024年のリーグ連覇については、「期待が大きかった分、決めた瞬間はうれしさよりも、正直ホッとした気持ちが強かった」と、主軸DFとしての胸中を明かした。

(C) VISSEL KOBE

 阪神・淡路大震災とともに始まったクラブの歴史については、生前のことで実感しにくい部分もあるとしながらも、「中学生の頃からヴィッセル神戸に関わってきた自分にとって、震災とクラブの歩みは切り離せない。支えてくれた多くの方々に、結果で恩返ししたい」と気を引き締める。

 初めてトップチームで主将をつとめ、Jリーグ優秀選手にも選ばれる活躍を見せた今シーズン。ただチームは3年ぶりに無冠に終わった。「悔しいことも多かったが、チームとしてどうあるべきかを話し続けた時間が、確実に成長につながった」と前向きに受け止める。オフシーズンは下半身強化を中心にトレーニングを重ねているといい、「シーズン中はできないベース作りに、今は集中している」。

 イベントの終盤、約1メートルの巨大絵馬に山川選手が書き記したのは「ACLE優勝」。アジアクラブの頂点を目指す戦い、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)での優勝を、目標に掲げた。

「クラブとしての悲願。何度も悔しい思いをしてきたので、今年こそつかみ取りたい」。新監督のミヒャエル・スキッベ氏のもとで迎える新シーズンに向け、「まずは自分がしっかりチームにフィットし、競争の中でチーム力を引き上げたい」と力を込めた。

「ヴィッセル神戸が本当に好きで、できる限りこのクラブで戦い続けたい。これからもトモニ、歴史を積み重ねていきたい」。クラブ愛を持つチームリーダーの、これからの活躍にも期待せずにはいられない。

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