挿絵は、生涯で6000点以上を描いたとされる。新聞連載小説「おせん」(1933年)や「お傳地獄」(1934年)などの挿絵では、原画・下絵から、大衆の支持を集めた“粋と艶の美学”が立ち上ってくるよう。加えて、六代目尾上菊五郎が出演した作品をはじめとする、多様な舞台装置の原画も紹介している。

展示を担当した横山志野学芸員は、雪岱の生涯について「戦中戦後の混乱期、仕事の多くが装丁や挿絵であったことから、戦後、美術史という枠で語られることが少なかった」とし、「本展で、その画業に新たな光が当たれば」と期待。「作家や役者という主役たちに寄り添いながら、魅力ある作品世界を立ち上げることに真摯に取り組んだ。1つの仕事が次なる仕事につながって枝葉のように広がり、周囲からの厚い信頼と大衆の熱い支持を得た」と、画家の制作姿勢を振り返った。3月1日(日)まで。
◆「密やかな美 小村雪岱のすべて」
会場 あべのハルカス美術館
(〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階)
会期 2025年12月27日(土)~2026年3月1日(日) 前期は2月1日(日)まで、後期は2月3日(火)から ※2月2日(月)は休館
開館時間 火~金/10:00~20:00、月土日祝/10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料(税込) 一般1800円、大高生1400円、中小生500円
問い合わせ あべのハルカス美術館、電話06-4399-9050





